...その香水のなかにひそむ陰影を確めてからでなければならない...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...われわれは荒野の強壮薬を必要とする――時にゴイサギとバンとがひそむ沼をかちわたって...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そのうちにひそむ主観が大きければそれでよいのである...
高浜虚子 「俳句への道」
...同時に私たちのうちにひそむ近代の毒に対する反省を与えるのである...
高見順 「仏像とパゴダ」
...・糸瓜やうやく花つけてくれた朝ぐもりをのれにひそむや藪蚊にくんだりあはれんだりして・蝉時雨もう枯れる草がある・昼しづかな焼茄子も焼けたにほひ・けふまでは生きてきたへそをなでつつ・はひまはつた虫は見つけた穴にはいつた・へちまよ空へのぼらうとする七月廿四日ようねむれた...
種田山頭火 「行乞記」
...みずからの深奥の中にひそむ調和に対する衝動の確認にほかならない...
中井正一 「絵画の不安」
...その矮躯短身(わいくたんしん)のうちにひそむ非凡の怪力(かいりき)を知って...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...かうした室生の心情にひそむものは...
萩原朔太郎 「田端に居た頃」
...そしてあらゆる至純の人の心にひそむ...
萩原朔太郎 「田端に居た頃」
...私は油絵具の中にひそむ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私は油絵の具の中にひそむ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...そのおどろおどろしき綴りの間にひそむ意味を理解したからである(アスモデリウス...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...その糸をいかに巧にかしこく手ぐるかというところに蜘蛛の智慧がひそむわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...モンテーニュの諷刺の辛辣とその底にひそむ公憤とは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かえって本当の富はこのうちにひそむのではないでしょうか...
柳宗悦 「多々良の雑器」
...民土にひそむ敵愾(てきがい)心を...
吉川英治 「新書太閤記」
...宇宙の森羅万象の根底にひそむ悲哀を悟得し芸術にその糧を得て現世の渦中に身を置く...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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