...けれども彼は死を待つさまたげをこばむことを知っていた...
伊藤左千夫 「落穂」
...これより学ばむとする教訓はこの一言に現はる...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...さればむかしの人此御ふたりを岩城山の神にまつりて社(やしろ)今に在り...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...面ほでり汗ばむけはひ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...)秋風に別れ別れの虫と虫草の葉かげでころりんと別れのゆふべ鳴いたとさ秋風に別れ別れの野辺に来てけふも一人でころりんと鳴けばむかしの虫が来るかも瓜 (如何にも感に堪へたやうに)お蔭でわしの憂鬱もどつかへけし飛んでしまつたやうだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...そこへかれらは日没ごろに野生の林檎の「芽をついばむ」ために森からやってきたのだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...手切れさえやればむろん承知するよ...
徳田秋声 「黴」
...われわれはギヨタンの機械が上流階級をついばむのを欲しない...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...街行く人の足をはばむ...
中谷宇吉郎 「雪三題」
...ああ この冬の日の陽ざしのかげにさびしく乾地の草をついばむわたしは白つぽい病氣の牡鷄(をんどり)あはれな かなしい 羽ばたきをする生物(いきもの)です...
萩原朔太郎 「青猫」
...身をむしばむような官能灼熱へ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...それに対する反ファシズムの動きは自然その犠牲とされることをこばむ...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」
...何がその蝶番をはばむのでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...我力の及ばむ限は敢て披露の勞を取りて...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...いやだと云えばむりにすすめるようなことはなかった...
山本周五郎 「あだこ」
...汗ばむ程握り締めた...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...歩くには少し汗ばむほどだが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...片手を延ばせばむつちりと茂つた楓の枝のさきに屆く...
若山牧水 「樹木とその葉」
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