...ばか者でさえがそうして行きたいと思ってるんです」古藤は目に涙をためて痛ましげに葉子を見やった...
有島武郎 「或る女」
...このばか者! この扉をあけて...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...「このばか者、よく見るのだよ、お前さんの好きな野狐を見せてやる」それは主婦の声であった...
田中貢太郎 「蟇の血」
...……じっさい、わしは、なんて妙ちきりんな、ばか者だろう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かき」
...西洋のおとぎ話に「ゾッとする」とはどんな事か知りたいというばか者があってわざわざ化け物屋敷へ探険に出かける話があるが...
寺田寅彦 「化け物の進化」
...こんなことはおまえたちにわかるはずがないて! 老嬢などという手合いの中からでも世間のばか者どもはどうしてこれに気がつかずに...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...今にばか者がやって来て...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そんなばか者にそだててはゐません...
豊島与志雄 「太一の靴は世界一」
...『勝手にしろばか者!』そういうのが共和党の常だ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「ばか者ども」老人は立停った...
山本周五郎 「似而非物語」
...「なんと愚劣で無智なものであるか、人間どもの救いがたい蒙昧(もうまい)、恥知らず、愚鈍、……だからこそわしは遁世したのだ、世の中にも人間にもあいそをつかしたればこそ、俗世をのがれて山中に隠れたのではないか、このわしの心境すらかれらにはわからぬ、ばか者ども、なんという哀れなばか者ども」けれども老人は断念しなかった...
山本周五郎 「似而非物語」
...「ここじゃあ冗談ひとつ云えないのかい」「きさまにはこのおれがばか者にみえるらしいな」松田は荒い呼吸をしながら云った...
山本周五郎 「さぶ」
...気をつけろばか者」万三郎は黙っていた...
山本周五郎 「風流太平記」
...ばか者」こう罵(ののし)りながらひょろひょろした足どりで...
山本周五郎 「風流太平記」
...本当に取交わしたようすか」「それはまだはっきりわかりません」「ばか者...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ばか者っ、退(しりぞ)け」統は恐れをなして、匆々(そうそう)に退出した...
吉川英治 「三国志」
...なにとぞご寛大をもちまして」「ばか者...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「ばか者ッ」と、そんな時、加山耀蔵は思わず腹の底から呶鳴りつけた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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