...このように巧い結末を告げるときもあれば、また、――おれが、どのように恥かしくて、この押入れの前に呆然(ぼうぜん)たちつくして居るか、穴あればはいりたき実感いまより一そう強烈の事態にたちいたらば、のこのこ押入れにはいろう魂胆(こんたん)、そんなばかげた、いや、いや、それもある、けれども、その他にも何か、うむ、押入れには、おまえに見せたくない手紙か何かある故、そんな秘めたるいいことあるくらいなら、おれは、何を好んでこの狭小の家に日がな一日、ごろごろしていようぞ、そんなことじゃないのだ...
太宰治 「創生記」
...あんなばかげたことをして...
太宰治 「燈籠」
...ばかげた思いつきだと思うぜ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「ライギット・パズル」
...実際人間はあまりばかげたことをやりすぎる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...まことにばかげた話であるけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんなばかげた出來ごとはなかつた...
長谷川時雨 「住居」
...しかもその異郷のばかげた誘惑にとらえられて...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...誰もわかるはずがないんですけれど」「おっしゃったことはばかげたことじゃありませんよ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...これから読もうとする極端にばかげた話のなかにさえ慰安を見出(みいだ)すかもしれない(精神錯乱の記録はこの種の変則に満ちているのだから)...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...ちょっとばかげた恋文で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...連中のばかげた迷信なんて分りませんし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...しかしそのおそろしくばかげた喚きの底には...
本庄陸男 「白い壁」
...そうしてうしろへもたれて、両腕をだらりとたらして、圧倒されて、たびたび全身をおののかせながら、かれは愛慕(あいぼ)のきまり文句をささやいた――この場合にはとんでもない、ばかげた、背徳の、あわれむべき、それでいて神聖な、この場合にもなお尊厳な文句を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...――「なんというばかげた茶番だ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...たとえこれがばかげたぐちであろうとも...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...ばかげた噂(うわさ)だが...
山本周五郎 「失蝶記」
...こんなばかげた、夢でも見ているようなことを云うほど深く騙(だま)されたのか、と幹太郎は思った...
山本周五郎 「花も刀も」
...谷のどん詰りにばかげたほど大きな...
山本周五郎 「風流太平記」
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