...彼女はまるで、牢獄に等しいその工場生活に、その暗い冷たい雰囲気に窒息しさうになつた...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...わたしの想い出す故郷はまるきり...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...―――新聞に出ているのとはまるで違ったことを噂して居りますよ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...キリストの荒野とはまるでちがう...
高見順 「いやな感じ」
...私の予覚はまるでなかったのです...
夏目漱石 「こころ」
...馬が小さくて、人間が大きいので、馬はまるで、人間のまたの下をくぐっている犬のように見えました...
新美南吉 「丘の銅像」
...ロッティはまるで小犬のように...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...宿屋はしてゐないさうでね」「困つたなア」「此邉はまるきり旅館がないンで……」「さうですかねえ」これ以上孤獨ではゐられないやうなあせりかたで...
林芙美子 「雨」
...あらゆる心の関係の部分を取り除く際に当てはまるのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...スワデシの誓ひの必要條件にあてはまるものと信じてゐる...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「スワデシの誓」
...ホテルの裏のテニス・コオトからはまるで三鞭酒(シャンパン)を抜くようなラケットの音が愉快そうに聞えてくるのである...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...」工場主はまるで人間の養牧でもやつてゐるやうに語るのだつた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...性的にはまるつきり無知なんですよ...
三好十郎 「肌の匂い」
...「あいつはまるで記憶をもたない」と言う習わしなので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...凛冽(りんれつ)という文字のぴたりはまるもので...
山本周五郎 「新潮記」
...君も僕とはまるで正反対な錯覚ばかりで物を見ているにちがいない...
横光利一 「旅愁」
...そういう神経などはまるで持てない人々だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...これはカブラルの方針とはまるで逆であった...
和辻哲郎 「鎖国」
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