...けむりのやうにはびこる憂欝...
大手拓次 「藍色の蟇」
...植木屋の説によるとこれは隣の楓が余りはびこる為めであらうとの事であつたので...
高浜虚子 「発行所の庭木」
...この世の隅から隅まで殘るくまなくはびこるに到つたといふ事になつてゐるが...
太宰治 「お伽草紙」
...△犬ころ草がやたらにはびこる...
種田山頭火 「行乞記」
...茂りはびこる草の...
種田山頭火 「其中日記」
...貧困と悪習のはびこるなかに...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...今日そのあたりには埋立地に雑草のはびこる外(ほか)...
永井荷風 「放水路」
...覆盆子(いちご)の如くその茎(くき)蔓(つる)のやうに延びてはびこる...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...濁世(じょくせ)にはびこる罪障の風は...
夏目漱石 「薤露行」
...敬太郎はこういう実地小説のはびこる中に年来住み慣れて来た須永もまた人の見ないような芝居をこっそりやって...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...迷信のはびこる家庭に成長した敬太郎は...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...現に世にいわゆるはびこる人を見るに...
新渡戸稲造 「自警録」
...耶蘇(やそ)ほどにはびこる...
新渡戸稲造 「自警録」
...はびこるにまかせた青苔や雑草は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...面皰(にきび)の痕の滿面にはびこる...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...思いきってはびこるがよい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どうして後から後からとふえはびこる傷や病を始末できようか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そのためについに浄土の往生を願うごとき邪路さえもはびこるのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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