...事務長は膝(ひざ)がしらをはっしと打った手をかえして...
有島武郎 「或る女」
...そしたら俺(わ)しもお前に未練なく兜(かぶと)を脱ぐがな」父のこの言葉ははっしと彼の心の真唯中(まっただなか)を割って過ぎた...
有島武郎 「親子」
...コップは横にとんではっしと壁にあたり...
海野十三 「四次元漂流」
...はっしと打ちおろされた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私は柔かい海綿でなく固い石を発止(はっし)と頬に打ちつけられた感じだった...
高見順 「如何なる星の下に」
...流れ寄る腐木にはっしと射込んだのでなければ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...エ? 家が大事? 浪が――? ――エエばかめ」「はっしと火鉢をうちたる勢いに...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...また発疹(はっしん)や病的な赤い斑点(はんてん)なども見えていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...駕籠をめがけて来る曲者(くせもの)を発矢(はっし)と打ち...
中里介山 「大菩薩峠」
...右の小指を発止(はっし)と打砕きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...つづけざまにはっし! はっし! と...
中里介山 「大菩薩峠」
...思うまじと誓える心に発矢(はっし)と中(あた)る古き火花もあり...
夏目漱石 「薤露行」
...五六間先の家光の手にある茶碗の糸底(いとぞこ)に発矢(はっし)と当ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は、唇を噛み、「このゴリアテの馬奴!」と怒号すると同時に、哀れな右腕を風車のように回転して、コントロールをつけると、ダビデがガテのゴリアテを殺した投石具(スリング)もどきの勢いで、はっしと、ゼーロンを目がけて投げつけた石は、この必死の一投のねらい違(たが)わず、ゼーロンの臀部(でんぶ)に、目醒しいデッドボールとなった...
牧野信一 「ゼーロン」
...四方太(しほうだ)は『八笑人(はっしょうじん)』の愛読者なりといふ...
正岡子規 「病牀六尺」
...発矢(はっし)と道の小石を蹴ッた...
吉川英治 「私本太平記」
...発矢(はっし)、昌仙が、一太刀うけているすきに、呂宋兵衛(るそんべえ)とその影武者、蚕婆(かいこばばあ)と早足(はやあし)の燕作(えんさく)、四人四ほうへバラバラと逃げわかれた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...礼拝堂の扉を飾っている数個の彫像の一つを発止(はっし)と打った...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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