...まるで麻疹(はしか)にでも罹(かか)つたやうに...
芥川龍之介 「虱」
...人見はしかし西山の癖だけは腹立たしいほどよく呑みこんでいた...
有島武郎 「星座」
...部屋の中はしかし真暗闇だった...
有島武郎 「星座」
...ふさはしからぬ友達の一人です...
薄田淳介 「若葉の雨」
...朝倉はしかし三下とは見ないで...
高見順 「いやな感じ」
...そんなに嫌うもんじゃないよ」お種はしかたなしに足を止めた...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...宅悦はしかたなく鉄漿の道具を持って来た...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...この最後の疑問はしかしおそらく現在の我国の物質的のみならず精神的文化の種々の方面に当て嵌(は)まるものかもしれない...
寺田寅彦 「石油ランプ」
...それはしかし後の祭であった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...「それは見たいな」と殿はしかし上機嫌そうに仰(おっし)ゃって...
堀辰雄 「ほととぎす」
...時にはしかし目をあげることもある...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...そこで君はしかし...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...母のまなざしはしかし...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...私はしかつめらしく考えた――心理学者にいわせたら...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...その時はしかしもうよほど気が荒くなっていて...
柳田国男 「山の人生」
...重厚な敵陣はしかれていたのに...
吉川英治 「私本太平記」
...中断(ちゅうだん)された縄(なわ)のはしから千本(ぼん)廂(びさし)の鎖(くさり)にすがって...
吉川英治 「神州天馬侠」
...彼はしかめっ面(つら)をしてみせた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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