...氷河の懸つた山の上には禿鷹(はげたか)の影さへ見えなかつた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...丹塗(にぬ)りのはげた欄干に...
芥川龍之介 「偸盗」
...懐中(くわいちゆう)より鏡(かゞみ)を出(いだ)して鉛粉(おしろい)のところはげたるをつくろひ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...おしるこのはげた塗箸(ぬりばし)をあつかいながら...
太宰治 「人間失格」
...頭を分けたやせぎすの二十四五の男と五十ぐらいの頭のはげた爺(じじい)とが何かせっせと書いていた...
田山花袋 「田舎教師」
...雪のはげた山稜が仰がれる...
辻村伊助 「登山の朝」
...「貴方(あなた)にはお秀さんという人がいるじゃありませんか」「あんなものを……」川西はげたげた笑いだした...
徳田秋声 「あらくれ」
...禿鷹(はげたか)と代言人との混同した相をそこに見いだしたであろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...頭のはげた五十恰好(かっこう)の日本人で...
中里介山 「大菩薩峠」
...庭下駄(にはげた)と跣足(はだし)と滅茶々々に入り亂れてゐる」平次は庭に降りると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...はげた黒ぬりの耳盥(みみだらい)を片手にもたせて...
長谷川時雨 「牢屋の原」
...ゆき子の化粧のはげた顔を見つめ...
林芙美子 「浮雲」
...自分の毛布の上に座ると丹塗りのはげた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...打水(うちみづ)のあと輕(かろ)く庭下駄(にはげた)にふんで...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
...赭(あか)ら顔を手でこすり、彼は家の前に立ちはだかって、くすぶった軒、土のはげた壁を、ひとわたり見わたし、字の見えなくなった表札を凝視して、今に見て居れ、今に見て居れ、と呪文(じゅもん)のごとく呟(つぶや)いた...
火野葦平 「糞尿譚」
...或る大寺の希臘風(ギリシアふう)なエンタシスのある丹(に)のはげた円柱を手で撫でながら...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...色々の花を咲かせて楽しんだなぜ/\こんなに陽気だろ夏の神様大おこりはげた頭を光らして春の神様追ひやって雷さまがおきに入りすきな遊びは夕立だなぜ/\こんなに怒るだろ秋の神様やさしいな風をそよ/\野に送り七夕さまや天の川銀のお月さんぬっと出るなぜ/\こんなにやさしいだろ冬の神様陰気だな寒いこがらしお気に入りいつもしぶい顔ばかりなぜ/\こんなに陰気だろ大正十一年四月二十一日綴...
槇村浩 「四季」
...禿鷹(はげたか)だの...
吉川英治 「平の将門」
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