...色のうすはげた淺黄の大風呂敷で何かを背負つてゐた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...心のかなしみのためにはげたのか...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「しっかり者のすずの兵隊」
...跡のはげたる入長持聟入...
井原西鶴 宮本百合子訳 「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」
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高浜虚子 「俳句への道」
...そのはげた額を、薄い日影がテラテラ照らした...
田山花袋 「田舎教師」
...数羽の禿鷹(はげたか)コンドルを壁の根もとに一列につないでおいて...
寺田寅彦 「とんびと油揚」
...山の霊達にはすぐわしが言いきかしてやるから」禿鷹(はげたか)は初め...
豊島与志雄 「コーカサスの禿鷹」
...それきり禿鷹(はげたか)はあっというまもなく...
豊島与志雄 「コーカサスの禿鷹」
...金箔(きんぱく)のはげた木のわくのうちに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...皮がぺろりと水蜜桃のようにはげた...
永井隆 「長崎の鐘」
...頭のはげた五十恰好(かっこう)の日本人で...
中里介山 「大菩薩峠」
...赭(あか)くはげた土地の上を...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...はげた茶の帽子に...
夏目漱石 「草枕」
...茶色のはげた中折帽の下から...
夏目漱石 「草枕」
...斑(まだら)にはげた黒い歯で笑われると...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...或る大寺の希臘風(ギリシアふう)なエンタシスのある丹(に)のはげた円柱を手で撫でながら...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...隣のかみさんに水を汲んでやるはまだしも「音羽屋に似て居る」と云はれて「頭のはげた所と顎(あご)の長い所だけ似て居ませう」と云ひ...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...櫺子窓のはげた灰色によって特に活(い)かされて来るように見えるのです...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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