...青年はかうしてまた久しい間のはかない求めの續きに返りつゝ...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...はかないばかり憂欝なものはない...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...はかないものさ...
太宰治 「正義と微笑」
...はかない努力であらう...
太宰治 「道化の華」
...何か物事に感激し、奮い立とうとすると、どこからとも無く、幽かに、トカトントンとあの金槌の音が聞えて来て、とたんに私はきょろりとなり、眼前の風景がまるでもう一変してしまって、映写がふっと中絶してあとにはただ純白のスクリンだけが残り、それをまじまじと眺めているような、何ともはかない、ばからしい気持になるのです...
太宰治 「トカトントン」
...再びはかない夢を結びかけていた時に...
中里介山 「大菩薩峠」
...満洲の野に建国の夢のはかない歓声が揚っているのに呼応して...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
......
野口雨情 「沙上の夢」
...何ともいえないはかない笑いかたをするの...
久生十蘭 「魔都」
...こんな風にはかない暮しをしているのも尤(もっと)もの事だとは思うものの...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...こう云うはかない身の上になったのは...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...はかないその日のうれしさを今か今かと涙ながらに待ちながら――大正三年九月二十六日こよなく尊き 宝失える 哀れなる姉小霧降り虫声わびて我が心悲しめる夜の最中(一)私は丁度その頃かなりの大病をした後だったので福島の祖母の家へ行って居た...
宮本百合子 「悲しめる心」
...藤衣きしは昨日(きのふ)と思ふまに今日(けふ)はみそぎの瀬にかはる世をはかないものと思われます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...はかない姿でかげろう蜻蛉(とんぼ)の飛びちがうのを見て...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...お供はかないませぬか」「何も問うな...
吉川英治 「剣の四君子」
...一面みな弱いはかない「我れ」なることを知っていた...
吉川英治 「三国志」
...敵にも何ぞ目途(もくと)するところがなくてはかないませぬ...
吉川英治 「私本太平記」
...守備なくてはかないませぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
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