...いつのまにかはかない出来心のしわざとしか考えられなかった...
有島武郎 「或る女」
...だから少女はその小さなあんよに何もはかないままでした...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 「マッチ売りの少女」
...はかない我が一生を思う...
高浜虚子 「俳句への道」
...はかない一瞬間の有頂天がほしくて...
太宰治 「猿面冠者」
...没落した家系の裔らしいはかない美しさだ...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...足に靴(くつ)もはかない彼らは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...はかない影であり...
中井正一 「美学入門」
...また別れては別のひとにめぐりあうと云うようなはかない日が過ぎてゆく...
林芙美子 「淪落」
...はかないあきらめを抱いて鬱々(うつうつ)としていた...
久生十蘭 「湖畔」
...そんな数年前の何か思いつめていたような自分がそういったはかないものにまで心を寄せながら...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...たまさかのおたよりを命にしておりますのもはかない私でございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...字ははかない、力のないようにも見えるものであったが、品がよくて感じの悪くないのを見て源氏は安心した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...はかない結末になったものであると浮舟(うきふね)を悲しんだ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いずれもはかない人間の姿である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...考えてみるとそれは夢のようにもはかないものだった...
山本周五郎 「新潮記」
...それは愚かな私のはかない喜びに過ぎなかったのです...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...夢の境で見るやうなはかない色がゆらゆらとわたしの前で入りまじる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...それらを我々は「女々しくはかない」と呼ぶことはできぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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