...そののろのろした不器用さまでが癪に触った...
犬田卯 「米」
...のろのろと歩いた...
梅崎春生 「狂い凧」
...のろのろしている職人に声をかけたが...
徳田秋声 「あらくれ」
...大阪風に赤い提灯(ちょうちん)などを出した両側の飲食店――その間をのろのろした腕車(くるま)で...
徳田秋声 「黴」
...松浦はふだんはのろのろしてる男ですが...
豊島与志雄 「道化役」
...私はのろのろと玄関のほうへ出て行った...
永井隆 「長崎の鐘」
...広い海の上をのろのろと船は内地へ近づいてゐる...
林芙美子 「瀑布」
...線路の方には朧(おぼろ)な闇のなかを赤いシグナルをつけた電車がのろのろと動いていた...
原民喜 「死のなかの風景」
...「なぜその男をつれこんだんだ? 小路をのろのろ歩いているやつは...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ものぐさくのろのろと水をかいている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...与えられた仕事を労務者がのろのろやっているだけ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...カラアも着けずにスリッパ一つで家の中をのろのろしているような生活を数カ月続けた...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...――のろのろと前へ押してゆく群衆に挟まって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...自分は自分だと云う様にのろのろと洗場で恭に云いつけられた用事を気が利かなく足しては嘲笑れたり...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...段々のろのろとなって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ひどくのろのろとしていた...
山川方夫 「夏の葬列」
...前跼(まえかが)みの姿勢でのろのろと鈍重に歩いてゆくようすは...
山本周五郎 「青べか物語」
...真夏の日の日盛りに下等な牛をつけてのろのろと行く穢(きたな)い車や...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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