...彼はひとりでにガンベに誘いこまれた敷波楼の暖簾(のれん)を飛びこむようにして潜った...
有島武郎 「星座」
...色は褪(あ)せたが紺暖簾(こんのれん)に染めて掛けた...
泉鏡花 「婦系図」
...再興して依然町内の老舗(しにせ)の暖簾(のれん)といわれおる...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...縄のれんをはじいて中へはいると...
太宰治 「ロマネスク」
...此処まで暖簾(のれん)と腕押しをしてしまった記者は...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...日本に特有なこの有難い公共設備の入口の暖簾(のれん)を潜って中へはいると...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...暖かい煙の這出(はひだ)して來る飯屋(めしや)の繩暖簾(なはのれん)の前には...
徳田秋聲 「絶望」
...大楼の暖簾(のれん)の手前もある...
中里介山 「大菩薩峠」
...その途中に暖簾(のれん)が風に動いていたり...
夏目漱石 「坑夫」
...駒形の御堂の前の綺麗(きれい)な縄暖簾(なわのれん)を下げた鰌屋(どじょうや)は昔(むか)しから名代(なだい)なものだとか...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...橋の袂(たもと)にある古風な銭湯の暖簾(のれん)や...
夏目漱石 「道草」
...俺が継いだ上州屋の暖簾(のれん)と身上は三万や五万じゃないから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...中田屋の暖簾(のれん)を潛(くゞ)ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夜明けまでも知らん顔をして主人はのれんを引っこめようともしない...
林芙美子 「新版 放浪記」
...夜明までも知らん顔をして主人はのれんを引っこめようともしない...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...又もと来た道を又もどると一軒の足袋屋の前に来るとじいやは思い出したように「そうそうおれの足袋が無かったわい」と云ってのれんをくぐると眼のくちゃくちゃした六十許のお婆さんは丸くなってボートレースの稽古をしながら店ばんをして居たが重い大きい足音におどろかされてヒョット首をもちあげてトロンとした眼をこすりながら「何をあげますか」とねむたい声できく...
宮本百合子 「大きい足袋」
...「梅の湯」の暖簾(のれん)をあげ...
山本周五郎 「青べか物語」
...この縄暖簾(なわのれん)へとびこんで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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