...のどかな雑談に耽(ふけ)っていた...
芥川龍之介 「首が落ちた話」
...舷側(げんそく)に来てぶつかるさざ波の音ものどかだった...
有島武郎 「或る女」
...長閑(のどか)さの真中には一降(ひとふ)り来たらばと思った...
泉鏡花 「遺稿」
...新吉は何だか長閑(のどか)なような心持もした...
徳田秋声 「新世帯」
...餘所(よそ)の女(をんな)の子(こ)のやうに長閑(のどか)な春(はる)は知(し)られないでおつぎは生理上(せいりじやう)にも著(いちじ)るしい變化(へんくわ)を遂(と)げた...
長塚節 「土」
...この二人ほどに長閑(のどか)な母子(おやこ)は容易に見出し得まい...
夏目漱石 「虞美人草」
...飛脚馬――などと一緒に平次とお六もこの上もない長閑(のどか)な旅を続けたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
......
萩原朔太郎 「青猫」
...大藤村にお作が夢ものどかなるべし...
樋口一葉 「ゆく雲」
...如何にものどかな磯の景色が絵のやうに浮ぶではないか...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「のどかなる結婚」いや気がさして来た...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「のどか」は、外人にはよく分るらしく大笑ひしてゐた...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...のどかな目的を追うて生きているのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...森かげや小川の岸に小さく長閑(のどか)に立っている百姓小舎のくすぶった破風から晴れた星空に立ちのぼってゆく蚊やりの煙はいかにも遠い昔の大和民族の生活を偲ばせるようで床しいものです...
宮本百合子 「蚊遣り」
...のどかな余裕のある生活ができるのであったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...工場の上を長閑(のどか)に舞っている二羽の鳶を二人とも仰ぎ見た...
夢野久作 「オンチ」
...カアーン……カアーン……カアーンきょうも甲府(こうふ)の町にのどかな鉦(かね)の音(ね)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...のどかで間の広い横顔をながめながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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