...なにか妖怪変化がすぐあとをのしのし歩いてくるのが目に入るのではないかと恐ろしい思いをした...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...元来たやうにのしのしと...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...のしのしみしり、大皿を片手に、そこへ天井を抜きそうに、ぬいと顕(あらわ)れたのは、色の黒い、いが栗(ぐり)で、しるし半纏(ばんてん)の上へ汚れくさった棒縞(ぼうじま)の大広袖(おおどてら)を被(はお)った、から脛(すね)の毛だらけ、図体は大(おおき)いが、身の緊(しま)った、腰のしゃんとした、鼻の隆い、目の光る……年配は四十余(あまり)で、稼盛(かせぎざか)りの屈竟(くっきょう)な山賊面(さんぞくづら)……腰にぼッ込んだ山刀の無いばかり、あの皿は何(な)んだ、へッへッ、生首二個(ふたつ)受取ろうか、と言いそうな、が、そぐわないのは、頤(あご)に短い山羊髯(やぎひげ)であった...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...のしのしと歩いていきました...
江戸川乱歩 「大金塊」
...病院の長い廊下をのしのし歩いて來る私の足音を聞くと...
太宰治 「思ひ出」
...のしのし歩きまわったり...
太宰治 「酒ぎらい」
...せまい病室をのしのし歩きまはつた...
太宰治 「道化の華」
...死んだようになって、俯伏(うつぶせ)のままじっとしていたら、どろぼうの足音が、のしのし聞えて、部屋から出て行くらしいので、ほっとしたの...
太宰治 「春の盗賊」
...のしのし二階から降りていつて...
太宰治 「富嶽百景」
... にわの そとへと のしのし でていきました...
ベアトリクス・ポッター Beatrix Potter おおくぼゆう やく 「ばにばにベンジャミンのはなし」
...のしのしと進んで行く阿賀妻はそれよりもなお倨傲(きょごう)であったと云える...
本庄陸男 「石狩川」
...ガラッと戸を剥(は)ね開けてのしのし出て来た...
本庄陸男 「前夜」
...川べりをのしのしと柳の影へ消えた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...雪の上をのしのしと歩いてくる...
水野葉舟 「遠野へ」
...黒衣の坊主がのしのしと出てくる...
吉川英治 「剣の四君子」
...勾配(こうばい)のきゅうな青銅瓦(せいどうがわら)の上をのしのしと無器用(ぶきよう)にはいあがって...
吉川英治 「神州天馬侠」
...のしのし堤(どて)の上へあがって行った...
吉川英治 「新書太閤記」
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