...手足が動くことは動いても生きた人間のそれらしい弾力やねばりがなく...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...その血は時としてあまりねばりづよくてあさましくなるが...
種田山頭火 「其中日記」
...やさしい五月の死びとよわたしは緑金の蛇のやうにのたうちながらねばりけのあるものを感觸しさうして「死」の絨毯に肌身をこすりねりつけた...
萩原朔太郎 「青猫」
...いつまでもへんにねばりついてゐる彼の言葉を見よ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...じつにねばり強い靈魂感覺の表現だ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...それに彼女の(十二字不明)がねばりついていた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...両国人雑居の条約を楯(たて)にとってねばり強い抗議を持ちこむより外に手はなかった...
本庄陸男 「石狩川」
...落ちたら出る事ならぬ穽(おとしあな)や木葉に黐(もち)塗りて虎に粘(ねばりつ)き狂うてついに眼が見えぬに至らしむる設計(しかけ)等あるが...
南方熊楠 「十二支考」
...病(や)みあがりの髪(かみ)は妙にねばりが強くなって...
宮本百合子 「秋毛」
...芸術家としての彼のねばりのきつかった工合...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...柄にねばりついて離れぬので驚いて振ったり...
三好十郎 「斬られの仙太」
...其ねばりを黐の代りにする...
柳田國男 「食料名彙」
...云いくるめるまでの精力的なねばりの強さとは無敵であった...
山本周五郎 「思い違い物語」
...ねばり強さと逞(たくま)しさを示していた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...ねばり強い精気が感じられた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...飽くまでねばり強く...
吉川英治 「上杉謙信」
...お蝶の腕へねばりついて...
吉川英治 「江戸三国志」
...めずらしく、秀吉の石に、ねばりがあり、於通も勝つになかなか骨が折れた...
吉川英治 「新書太閤記」
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