...目白鳥(めじろ)などの假(かり)の塒(ねぐら)を驚(おどろ)いて起(た)つのであつた...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...ともかくここを当分の塒(ねぐら)にしてと思い定めたことである...
岩本素白 「雨の宿」
...そして塒(ねぐら)に急ぐらしい数羽の鴉(からす)が夕焼けのした空を飛んで行った後には...
橘外男 「逗子物語」
...いつか塒(ねぐら)に迷うた蝙蝠を追うて荒れ地のすみまで行ったが...
寺田寅彦 「花物語」
...私はまあそう思いますねぐらいのところで暈(ぼ)かしながら...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...住宅難で勝手な人間がここを塒(ねぐら)にして居たに違いない...
富田常雄 「面」
...塒(ねぐら)を求めて空を飛んでいた...
豊島与志雄 「土地」
...今晩これからの塒(ねぐら)の心配でしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...やあ来ているねぐらいでは事がすまなくなった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...烏はもう塒(ねぐら)に帰りますが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...杜(やしろ)を今夜は塒(ねぐら)ときめ...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...鳥がねぐらへ戻つたやうな安易さで……...
林芙美子 「暗い花」
...クロウタトリが驚いてねぐらを飛び立ち...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...珍しや花のねぐらに木づたひて谷の古巣をとへる鶯やっと聞き得た鶯の声というように悲しんで書いた横にはまた「梅の花咲ける岡辺(をかべ)に家しあれば乏しくもあらず鶯の声」と書いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...幕府お金蔵(かねぐら)の絵図面を...
吉川英治 「大岡越前」
...彼方の小屋――草心尼と覚一の塒(ねぐら)へ向って燃えていた...
吉川英治 「私本太平記」
...老人の塒(ねぐら)ではないらしい...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...その塒(ねぐら)を出てゆかずにはいられない辱めであった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索