...上流社会のお偉さんに傷を付けたら困るから、アリバイを証明しなかったって言うのか? それとも、お前に対して何か思うところのある、陪審員のくそじじいの仕業だとでも言うのか? どっちみち、ぬれぎぬだ、なんて言うやつは、だいたいそんな理由ばっかりだ...
オー・ヘンリ O. Henry 大久保ゆう訳 「罪と覚悟」
...嫉妬なぞと思いも掛けぬ濡衣(ぬれぎぬ)を着せようとなさるので...
太宰治 「新ハムレット」
...かくなん心にもあらぬ恨みは濡衣(ぬれぎぬ)のつま故かゝる身となりにけり或は云う...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...わたしは盗人という濡衣(ぬれぎぬ)がまだ乾いていない身であった...
中里介山 「大菩薩峠」
...お前だけが俺に濡衣(ぬれぎぬ)を着せようというものだ」「そりゃいけません...
中里介山 「大菩薩峠」
...それじゃ濡衣(ぬれぎぬ)を着るんだね...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...とんだ濡衣(ぬれぎぬ)を着なきやならないんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...またある時は名門の出の某男爵が濡衣(ぬれぎぬ)に扮したおり...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...わたくしの身に濡衣(ぬれぎぬ)がかかるわけは存じております...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...五 不思議の濡衣(ぬれぎぬ)妾(しょう)が彼女を愛し...
福田英子 「妾の半生涯」
...もとよりあらぬ濡衣(ぬれぎぬ)にもあらざれば...
三宅花圃 「藪の鶯」
...恋しい人のためには濡衣(ぬれぎぬ)でさえも着たがる者があるのであるから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「萩原(はぎはら)や軒端(のきば)の露にそぼちつつ八重立つ霧を分けぞ行くべきあなたも濡衣(ぬれぎぬ)をお乾(ほ)しになれないでしょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一方で私のためにそうした濡衣(ぬれぎぬ)を着せられておいでになる方もお気の毒なものだ」などと言いながらも夕霧は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...松島のあまの濡衣(ぬれぎぬ)馴(な)れぬとて脱ぎ変へつてふ名を立ためやは」と言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それは濡衣(ぬれぎぬ)というものです」意地が悪くて多弁な男であったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...とんでもない濡衣(ぬれぎぬ)を着せられて追い出されちゃったんだよ...
夢野久作 「少女地獄」
...よくも人に濡衣(ぬれぎぬ)を着(き)せやがった」「あれッ...
吉川英治 「神州天馬侠」
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