...それにこのへんはまるで沼の中をあるくようなひどいぬかるみだな...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「幸福のうわおいぐつ」
...そして蛙のやうな恰好をして泥濘(ぬかるみ)のなかを泳ぎ廻つた...
薄田泣菫 「茶話」
...ぬかるみが出来てゐた...
薄田泣菫 「独楽園」
...後ろ足をぬかるみに引張られて歩きにく相に道を横切つてゆく...
千家元麿 「自分は見た」
...花見小路の灯の下のぬかるみの中に立って...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...動物園の四坪(つぼ)半のぬかるみの中では...
高村光太郎 「ぼろぼろな駝鳥」
...あるだけの酒飲んで別れたが(星城子君に)眼が見えない風の道を辿る・十一月二十二日のぬかるみをふむ(歩々到着)・夜ふけの甘い物をいたゞく(四有三居)傷づいた手に陽をあてる晴れきつて真昼の憂欝はじめての鰒のうまさの今日(中津)ボタ山ならんでゐる陽がぬくい・ひとすぢに水ながれてゐる・重いドアあけて誰もゐない枯野...
種田山頭火 「行乞記」
...また降りだしてひとり・ぬかるみ...
種田山頭火 「行乞記」
......
種田山頭火 「行乞記」
...いや道路のぬかるみへ!今日も行乞しなければならない...
種田山頭火 「行乞記」
...ねむれない夜の百足が這うてきた這うてきて殺された虫の夜がふける日だまりの牛の乳房草の青さで牛をあそばせてゆふべ・てふてふつるまうとするくもり暮れてふるさとのぬかるみをさまよふ五月四日放下着...
種田山頭火 「其中日記」
...ぬかるみの中を歩道へ渡ろうとしますと...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...おれの肉体はぬかるみの舗石の上へ叩きつけられても...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...家までやとったまだ若い車夫はずるくて鈍間でゆるい足袋を雨上りのぬかるみにつけてベジャベジャベジャベジャ勢のない音を出してゆるゆると走った...
宮本百合子 「悲しめる心」
...(『ぬかるみの街道』に発表 一九三〇年六月新潮社刊『現代詩人全集』第十二巻を底本)...
百田宗治 「地を掘る人達に」
...……たれかと思うたら、覚一の母御前(ははごぜ)か」新田桜田の牛の背も、ぬかるみ道も、花ふぶきが持ってくる白い斑(ふ)に、今朝は染められてないものはない...
吉川英治 「私本太平記」
...ぬかるみの死体を覗いてみた...
吉川英治 「私本太平記」
...降ると名物のぬかるみができる...
吉川英治 「随筆 新平家」
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