...七八年たった今日(こんにち)もぬかるみの往来へ跪(ひざまず)いたまま...
芥川龍之介 「文章」
...)のぬかるみを思ひ出した...
芥川龍之介 「本所両国」
...ぬれた青葉をすべり落ちてぬかるみの中に燐(りん)のような光を漂わしていた...
有島武郎 「或る女」
...そして紙幣の束をぬかるみの中にたたきつけた...
有島武郎 「或る女」
...日当りが悪いせいかひどいぬかるみで...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...蛙のやうに泥濘(ぬかるみ)に住む事の好きな市長も...
薄田泣菫 「茶話」
...一度雨降りの日に自動車の窓から池上市長や市会議員やを泥濘(ぬかるみ)のなかに投(ほ)り出してみたらどんなものだらう...
薄田泣菫 「茶話」
...そしてぬかるみの往来へ立って冷めたい雨に打たれるまでは...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...あるだけのものを着てあたゝかうをる・かあいらしい雪兎が解けます・豆腐屋さんがかちあつた寒い四ツ角雪の朝の郵便も来ない雪の夕べをつゝましう生きてゐる・逢うて戻ればぬかるみ・十分に食べて雪ふる雪の夜半の誘惑からのがれてきた寒ン空...
種田山頭火 「行乞記」
...めづらしいぬかるみである...
種田山頭火 「行乞記」
...・遠山の雪ひかる別れなければならない・草は枯れて犬はたゞほえて・雪どけのぬかるみのあすはおわかれ・朝から降つたり照つたり大きな胃袋(ルンペンのなげき)・かみしめる餅のうまさの夜のふかさの・なにもかも雑炊としてあたゝかく・小鳥も人もほがらかな雲のいろこゝろあらためて水くみあげてのむ・ほつかりめざめた春めいた雨の柿の木ぽつとり椿が雨はれたぬかるみ二月十八日雨...
種田山頭火 「其中日記」
...ただ滑るような泥海(ぬかるみ)を知らぬ間(ま)に用意するばかりである...
夏目漱石 「虞美人草」
...ぬかるみへ狭い板が敷いてあるのと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ヘタヘタと綿のように泥濘(ぬかるみ)へ坐ってしまいます...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...深い泥濘(ぬかるみ)に辟易して...
牧逸馬 「双面獣」
...表のぬかるみがひどくて下駄の上までかぶるので裏へぬけて見ました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...少し降っていた雨はやんだが泥濘(ぬかるみ)の路(みち)につかれていたし...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しかも雨中のぬかるみに馳せ登るのでたび/\膽を冷やさせられたが...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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