...怒ったようにものを云った...
芥川龍之介 「子供の病気」
...不幸にして自分は城山(じょうざん)の公園に建てられた光栄ある興雲閣に対しては索莫(さくばく)たる嫌悪(けんお)の情以外になにものも感ずることはできないが...
芥川龍之介 「松江印象記」
...」と斜めに肩ごしに見遣(みやっ)たまま打棄(うっちゃ)ったようにもののすッきり...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...いったい、なにものが、木の上に、ひそんでいるのでしょう...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...死にものぐるいの声が出ました...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...筆頭岩の頂上にものぼるを得べし...
大町桂月 「妙義山の五日」
...死にものぐるいで私からひったくりました...
太宰治 「虚構の春」
...悪ふざけの国者(くにもの)の声と...
中里介山 「大菩薩峠」
...奥歯にものがはさまったような感じの論文になるのは...
中谷宇吉郎 「アラスカの氷河」
...百人にも二百人にものぼることだろうが...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...おれのたましひをつかむやうにしてなにものかをつかんだ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...人にものを施(せ)する人は...
長谷川時雨 「尼たちへの消息」
...その頃から正三はやたらにものを怖がり出した...
原民喜 「恐怖教育」
...返せクロを! 返せクロを!おいらの手から横奪(よこど)りした、あの鷲(わし)をかえせ、おいらの手にタッタいまかえせ!竹童の目は見えないはずでありながら、その一念(ねん)に、あたかも、なにものかを、的確(てっかく)に見ているように、いうのであった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...きさまたちに目にもの見せてくれるから」「井(い)の中の蛙(かわず)――おまえなんかに天下のことがわかるものか...
吉川英治 「神州天馬侠」
...なにものでもない...
吉川英治 「新書太閤記」
...よいほどにものを誤魔化(ごまか)しておくということができない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...九十九折(つづらをり)けはしき坂を降り來れば橋ありてかかる峽の深みにおもはぬに村ありて名のやさしかる小雨(こさめ)の里といふにぞありける蠶飼(こがひ)せし家にかあらむを壁を拔きて學校となしつ物教へをり學校にもの讀める聲のなつかしさ身にしみとほる山里過ぎて生須村を過ぎると路はまた單調な雜木林の中に入つた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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