...血やにじむわが足のおと...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...ジリジリと汗のにじむ睨み合いが続いた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...にじむ様に拡がって行った...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...水のにじむやうに哀愁が身ぬちをめぐる...
種田山頭火 「道中記」
...私の肌に汗がにじむ...
外村繁 「日を愛しむ」
...にじむようなことはごわすまいかが...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは脂汗(あぶらあせ)のにじむやうな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...聞くものの胸にもにじむものがある...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...女教師がKの手にひっかいてつけた血のにじむみみずばれを見て...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...一人にて負へる宇宙の重さよりにじむ涙の心地こそすれ君と暮した四十年間十余人の子女を育てて私は重荷を負ひ続けて来た...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...そして涙のにじむ様な気持になって影の様に去って仕舞った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...六月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕六月九日きょうはむしあつい膏汗(あぶらあせ)のにじむ日です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼の名を思つても涙がにじむ程の思慕が...
村山槐多 「殺人行者」
...背中に汗がにじむ...
森鴎外 「あそび」
...血のにじむほども唇を噛みしめつつ...
山本周五郎 「新潮記」
...それこそ血のにじむほど涙ぐましい……という程でもないが...
夢野久作 「創作人物の名前について」
...ときどきじっとりと水が指の間へにじむような...
横光利一 「馬車」
...指ににじむその雫(しづく)を冷(つめた)く思つたのは十月の末(すゑ)の日比谷の寂しい木立の中を車の進む時であつた...
與謝野晶子 「帰つてから」
便利!手書き漢字入力検索