...燒かれて油がジト/\ににじみ出る有樣を想像するのも耐らない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...冷たい油汗が手のひらににじみ出るばかりで...
有島武郎 「或る女」
...「心の故郷我等が母校」と歌つて來ると熱い涙がにじみ出る...
相馬御風 「校歌「都の西北」と私」
...それは地面から水の流れがにじみ出るようにどんどんそだつ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...額(ひたい)ににじみ出る汗をハンケチで拭いてはまたも無言で足袋にとりかかり...
太宰治 「佳日」
...額(ひたい)に汗がにじみ出る...
太宰治 「正義と微笑」
...全身に油汗がにじみ出る感じ...
太宰治 「恥」
...そして袂(たもと)で顔ににじみ出る汗を拭きながら...
徳田秋声 「足迹」
...そして手(ハンケチ)で玉のようににじみ出る鼻や額の汗を拭いた...
徳田秋声 「黴」
...身をかわすにさえも膏汗がにじみ出るのである...
戸坂潤 「社会時評」
...額ににじみ出る汗は...
豊島与志雄 「悪夢」
...あざらかににじみ出る...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...「ねえ‥‥」「うん‥‥」うんと応へてくれた信一の言葉の中にはにじみ出るやうな温かいものがある...
林芙美子 「幸福の彼方」
...その重さからでも涙はにじみ出るであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...にじみ出る温和しい人がらの氣はいがあいつに見えてくる...
室生犀星 「末野女」
...腋の下に汗のにじみ出るのを感じた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...やはり身にそなわる芸味がにじみ出るものだろうか...
吉川英治 「私本太平記」
...――詫(わ)びても、詫びきれないような気もちから、自然、にじみ出る涙は、その傷者をして、無限な慰藉(いしゃ)となり、愛情の結びとなった...
吉川英治 「新書太閤記」
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