...にこりともせずに返事をした...
芥川龍之介 「あばばばば」
...とにこりともせず...
太宰治 「右大臣実朝」
...にこりともせずに応じた...
太宰治 「黄金風景」
...しかし、民衆だって、ずるくて汚くて慾が深くて、裏切って、ろくでも無いのが多いのだから、謂(い)わばアイコとでも申すべきで、むしろ役人のほうは、その大半、幼にして学を好み、長ずるに及んで立志出郷、もっぱら六法全書の糞(くそ)暗記に努め、質素倹約、友人にケチと言われても馬耳東風、祖先を敬するの念厚く、亡父の命日にはお墓の掃除などして、大学の卒業証書は金色の額縁にいれて母の寝間の壁に飾り、まことにこれ父母に孝、兄弟には友ならず、朋友(ほうゆう)は相信ぜず、お役所に勤めても、ただもうわが身分の大過無きを期し、ひとを憎まず愛さず、にこりともせず、ひたすら公平、紳士の亀鑑、立派、立派、すこしは威張ったって、かまわない、と私は世の所謂お役人に同情さえしていたのである...
太宰治 「家庭の幸福」
...」にこりともせず...
太宰治 「花火」
...固パンはにこりともせず...
太宰治 「パンドラの匣」
...やはり、自転車に乗って三鷹郵便局にやって来て、窓口を間違ったり等して顔から汗をだらだら流し、にこりともせず、ただ狼狽(ろうばい)しているのである...
太宰治 「男女川と羽左衛門」
...にこりともせず酒を飲み...
太宰治 「メリイクリスマス」
...寄(よ)せんな」女房(にようばう)は立(た)つた儘(まゝ)一同(どう)を見廻(みまは)して嫣然(にこり)としていつた...
長塚節 「土」
...「少し痩(や)せたようですね」「なにこりゃ私(あたし)の持前(もちまえ)だから仕方がない...
夏目漱石 「道草」
...烏と地蔵さん石の地蔵さん居ねむりしてたにこりにこりと居ねむりしてた烏アときどき団子見て啼いた石の団子で盗(と)つても駄目だ石の地蔵さん駄目団子もつてたにこりにこりと駄目団子もつてた...
野口雨情 「十五夜お月さん」
...呉羽之介はにこりともせず...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...にこりと笑いをかえして...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...女校長にこりさせない為の由です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...頬や肩などにこりこりと肉が附いて...
山本周五郎 「おばな沢」
...今度はにこりともせず...
横光利一 「旅愁」
...邪法(じゃほう)の幻術(げんじゅつ)などにまどわされようぞ」「ふふウ……その幻術にこりてみたいか」「笑止(しょうし)やその広言(こうげん)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...にこりとうなずいた...
吉川英治 「親鸞」
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