...○某大汽船会社船中の大怪事事務長と婦人船客との道ならぬ恋――船客は木部孤の先妻こういう大業(おおぎょう)な標題がまず葉子の目を小痛(こいた)く射つけた...
有島武郎 「或る女」
...世の常ならぬ恋の痛みと歓びとを想いおこす自殺した恋人たちのお互いの慰めである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ただ自分には妻の恋愛を「道ならぬ恋」であるとする権利はない...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...「道ならぬ恋」だとは云われないまでも...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...再び公と道ならぬ恋をつゞける気力がなくなってしまったことも...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...道ならぬ恋の罪悪...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...さういふ問題から避けた恋ならぬ恋を展開させやうとした...
田山録弥 「ある日」
...自分の道ならぬ恋愛を怖れました...
豊島与志雄 「化生のもの」
...保子に道ならぬ恋をしてるという意識が...
豊島与志雄 「反抗」
...道ならぬ恋に迷ひ家中(かちゅう)の者と手に手を取り駈落致したりとの噂(うわさ)...
永井荷風 「榎物語」
...軽井沢(かるいざわ)のホテルで清岡進と道ならぬ恋に陥ったのである...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...その道ならぬ恋を重ねて露(あら)われた時に加えらるる制裁は...
中里介山 「大菩薩峠」
...――お嬢様に」言ってはならぬ恋を身に秘めて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...道ならぬ恋に基く悶死の経路に心が惹かれるのだ...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...こんな遣(や)る瀬(せ)ない苦しみばかりをせねばならぬ恋というものをなぜおもしろいことに人は思うのであろうと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...手紙でT子に密告したのは外ならぬ恋敵のMであった……という事である...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...人並ならぬ恋すれば...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...この道ならぬ恋もまた読者はすでにあらかじめ知っているのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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