...キィーキィーの櫓声となめらかな水面に尾を引く舟足と...
伊藤左千夫 「河口湖」
...私のなめらかな頬に少年のおもかげが失(う)せなかったにもしろ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...なめらかに芽生えのうへをそよいでは消えてゆくかなしいかなしいおとづれ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...すべてわれわれに快い感覚を与える光音香味の元子は丸くなめらかであり...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...御隠居様――」小間使いがささげ来たれる一碗(わん)の茗(めい)になめらかなる唇をうるおし「昨年来は長々お世話に相成りましてございますが...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...女の肌はなめらかでこまかく...
豊島与志雄 「男ぎらい」
...まるで大理石のように固くなめらかにしていました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...七宝(しっぽう)の夫婦釦(めおとボタン)は滑(なめらか)な淡紅色(ときいろ)を緑の上に浮かして...
夏目漱石 「虞美人草」
...この小さい爲事は滑(なめらか)に爲遂げられて來たのだが...
平出修 「計畫」
...鳴滝や庭滑らかに椿散る伯母の御寺の鶯の声手入れのよく届いた御寺の庭を庭なめらかにといひ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...湖の上は風一つなく、水の上は鏡(かがみ)のように、なめらかで、ただ小舟の通ったあとだけが、たいまつの光に照(て)らされて、黄金(こがね)の道のように、キラキラと光っています...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...教室の大きなガラス窓に明るいなめらかな陽があたっている...
山川方夫 「その一年」
...両腿のなめらかな肌がぴっしり合さるところはごく微(かす)かに色づいていたし...
山本周五郎 「お繁」
...六なめらかに艶(つや)を増してゆく皮膚...
山本周五郎 「菊千代抄」
...なめらかにひき緊った小さな肩と...
山本周五郎 「さぶ」
...なめらかな冷たい手触りや...
山本周五郎 「日本婦道記」
...なめらかな水面には...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...あの美しい肌や衣の何とも言えず力強いなめらかさに――実質が張り切っていながらとろけそうに柔らかい...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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