...今日は敬坊が、そして樹明君も来庵する筈なので、御馳走をこしらへて待つてゐる、――大根の浅漬、若布の酸物、ちしやなます、等々!春は芽ぶき秋は散る、木の芽、草の芽、木の実、草の実――自然の姿を観てゐると、何ともいへない純真な、そして厳粛な気持になる、万物生成、万象流転はあたりまへといへばそれまでだけれど、私はやつぱり驚く...
種田山頭火 「其中日記」
...或る農夫の悦び・植ゑた田をまへにひろげて早少女の割子飯・田植もすましてこれだけ売る米もあつて・足音は子供らが草苺採りにきたので・夕凪の水底からなんぼでも釣れる・露けき紙札『この竹の子は竹にしたい』・ほんとにひさしぶりのふるさとのちしやなます(改作再録)山口後河原風景・おいとまして葉ざくらのかげがながくすずしく木かげがあれば飴屋がをれば人が寄つて・ま夏ま昼の火があつて燃えさかる大橋小橋...
種田山頭火 「其中日記」
...あとで適当になますとか...
寺田寅彦 「断水の日」
...羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹くは...
夏目漱石 「虞美人草」
...顔が膾(なます)の様になったそうである...
夏目漱石 「それから」
...――毒でやられたんだ」「へエ――」「首の切り口が膾(なます)のやうぢやないか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――毒でやられたんだ」「ヘエ――」「首の切り口が膾(なます)のようじゃないか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鱠(なます)は鯉(こい)の甘酢...
正岡子規 「墨汁一滴」
...膾(なます)にしておやり下さい」雪之丞は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...優雅なますらおは予想していたでしょうか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...鮒のなますを作って置いて...
柳田國男 「日本の伝説」
...なますの肉は皆生きかえって水の上を泳ぎまわった...
柳田國男 「日本の伝説」
...しかしなますになってから生きかえった魚ならば...
柳田國男 「日本の伝説」
...それをそのまま摘んで食うから目こすりなますだ」と...
山本笑月 「明治世相百話」
...当り前なら膾斬(なますぎ)りに致した上...
吉川英治 「剣難女難」
...今にもこんがらとせいたかを膾斬(なますぎ)りにするかの勢い...
吉川英治 「剣難女難」
...たちまちなます斬りにされてしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...そのあとは鱠(なます)料理さ」と...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索