...なまじ深入りしてわたしの感情を返つて乱す事を避け...
犬養健 「愚かな父」
...なまじひの『正宗』のペーパーを附けたるものなどよりは...
大町桂月 「菅の堤の櫻」
...なまじな医師の判断よりもアテにしていた...
谷崎潤一郎 「鍵」
...なまじそんなものがあつたら...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...しかしなまじっか学問なんか噛(かじ)りちらすより...
徳田秋声 「縮図」
...なまじ歴史的に歴然たる存在を有った言葉だけに...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...ましてや、なまじ人間界を、いくらかでも覗(のぞ)いている目細君としたら、余計そう気を廻すのも、無理はない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...なまじっか出来るなんて慢心して碌々準備をしなかったものだから...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...今から考えてみると、一層(いっそ)の事無ければ無いなりに、どうかこうか工面も付いたかも知れないが、なまじい、手元に有ったものだから、苦し紛れに、急場の間に合わしてしまったので、肝心の証書を入れた借銭の方は、いまだにそのままにしてある...
夏目漱石 「それから」
...いつの間にやら生湿(なまじめ)りの土の上へ坐っておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こんなに綺麗じゃないか」源吉は生湿(なまじめ)りの手拭をお吉の眼の前にヒラヒラさせました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なまじ岡場所の女どもに騒がれる金十郎の身持ちが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...生濕(なまじめ)りの苔臭(こけくさ)い土が一面に附いてゐるではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なまじつか、空つぽの煙草入をぶら提げて歩いて、人樣の煙草を貰つて吸ふより、煙草入を忘れて來たといふことにした方が立派でせう」「立派だつてやがる、――成程それだけサバサバして居ると、巾着切(きんちやくきり)が車掛りで攻め寄せても驚かねえ」「でせう、だから此方は膽がすわつてますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一緒に忍んで來た仲間にでもやられたのかな」「へエ――戀にはなまじ連れは邪魔――つて言ひますがね」「それとも?」「あの味噌摺(みそすり)用人ぢやありませんか」「いや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なまじっかなことをするより...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...あそこではなまじな塗り換へなんぞはしないで...
牧野信一 「鱗雲」
...いくらなんでも出来なかったそしてその晩はそのまま戻ったがハナから知らねばなんでもなかったのがなまじすこしばかり知ったために...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
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