...「なまじ所帶持(しよたいもち)だなぞと思(おも)ふから慾(よく)が出(で)ます...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...なまじ深入りしてわたしの感情を返つて乱す事を避け...
犬養健 「愚かな父」
...……僕はなまじ警察に知らせて...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...なまじっか、律儀に、ご尊名などを聞かなければ、雲州侯(うんしゅうこう)も手玉に取った、御数寄屋(おすきや)坊主の宗俊が、蔭間(かげま)茶屋通いの、上野東叡山(とうえいざん)の生臭(なまぐさ)か、そんなことに頓着なく、「ハイ、有難う御座います」で、百文も失わずに済んだではないか...
辰野九紫 「青バスの女」
...なまじそんなものがあつたら...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...兄うえがあゝまで云われるものをなまじかくしては折角のなさけにそむく...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...こういう状況であるから多くのアカデミックなまじめな学者たちはその仕事が「世界的大発見」「大発明」として新聞に発表されることを何よりもこわがっている...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...探照燈(たんしょうとう)の光めいた生白(なまじろ)い一道の明(あかり)が斜(ななめ)に落ちて来て...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...立派に、一人で――仮令、流しになったって、一人で食べて行けるのに、なまじ、男に手頼(たよ)ろうとするから、こんな目に逢うのだ...
直木三十五 「南国太平記」
...一人で食へんやうな奴に、なまじ、家だの、小金だのを残してやる事は、罪悪だと...
直木三十五 「貧乏一期、二期、三期」
...それもなまじ西洋文学なぞうかがひて新しきを売物にせしものこそ哀れは露のひぬ間(ま)の朝顔...
永井荷風 「一夕」
...なまじい御簾を下ろされて...
中里介山 「大菩薩峠」
...今度の事件より寧ろあの時僕がなまじいに遣り遂げた義侠心(ぎきょうしん)だ...
夏目漱石 「それから」
...なまじいに自由が利(き)くためさ...
夏目漱石 「明暗」
...なまじっか、お美代さんと祝言の話があっただけにそんな事をきかされると変な心持になります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なまじいに勧誘を試みようとしなかったために...
柳田国男 「雪国の春」
...なまじ半端な武士道を立てて見たところで...
吉川英治 「剣難女難」
...なまじお供はせぬがよい」表御門でも彼はおなじことを触れ...
吉川英治 「私本太平記」
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