...少し乾いた唇でなぶるうち――どうせ亭主にうしろ向きに...
泉鏡花 「薄紅梅」
...」とすねたように鋭くいったが、露を湛(たた)えた花片(はなびら)を、湯気やなぶると、笑(えみ)を湛え、「ようござんすよ...
泉鏡花 「女客」
...柳の木はこの若い救世主をなぶるように...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...てまり‥‥‥ひや ふや おこまさんたばこのけむりは丈八(じやうは)っあん‥‥とんとんとんとつくてまりしろい指からはなれては蝶(てふ)が菜(な)のはをなぶるよにやるせないよにゆきもどり...
竹久夢二 「どんたく」
...子供のなぶる亀を見て...
太宰治 「お伽草紙」
...子供のなぶる龜を見て...
太宰治 「お伽草紙」
...「みんなが克だけをめくらいうてなぶる」と...
壺井栄 「赤いステッキ」
...鬼(おーに)んなってつらかってえ大根(だいこ)の葉あがからかってえみんなのなぶる声が追っかけてきた...
壺井栄 「大根の葉」
......
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...ダニがいよいよ面白半分になぶる...
中里介山 「大菩薩峠」
...神尾の手をなぶるような仕草をしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...両男(りょうだん)の間に女を(はさ)んだ嬲(なぶる)(もっともこれは女のほうより左右(さゆう)にある男のほうが罪あるに相違ない)...
新渡戸稲造 「自警録」
...白い頬を惱ましくなぶるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...猫の子の巾著(きんちゃく)なぶる涼みかな 去来猫の子のくんずほぐれつ胡蝶かな 其角その代り気が利(き)く方からいうと...
正岡子規 「俳句上の京と江戸」
...風のなぶるままに...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...どうぞお納めおき給わりませ」「なぶるのか...
吉川英治 「私本太平記」
...彼の末期(まつご)の鬢(びん)の毛をなぶる微風のうごき迄を...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...まっすぐに申しあげているんで」「お前は私をなぶるから嫌いさ」「エエ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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