...なだらかに高低のある畑地の向こうにマッカリヌプリの規則正しい山の姿が寒々と一つ聳(そび)えて...
有島武郎 「親子」
...五分刈(ごぶがり)のなだらかなるが...
泉鏡花 「悪獣篇」
...なだらかな坂道を下りていった...
海野十三 「地球盗難」
...あの多肉根が持つなだらかな線と...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...むしろなだらかで地道である...
高村光太郎 「九代目団十郎の首」
...路が平坦(なだらか)になりましたから...
田中貢太郎 「死人の手」
...諸君、わたしの洒落はむろん下品なところがあって、なだらかでなく、筋を外しがちで、おまけに自分で自分を信じないような調子だが、しかしそれというのは、わたしが自己を信じないからである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...この鞍部地帯は、右も左も、きわめて、なだらかに、遥かなる海岸線にまでくだっている...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...比較的なだらかな返事が書けた...
夏目漱石 「それから」
...ピンからキリまでもつたいなさになだらかな血潮が逆流しまする蓮華に座した心にくいまで落付きはらつたその男ぶりにすつかり私の魂はつられてしまひました...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...南はややなだらかに...
本庄陸男 「石狩川」
...斯(かか)る誤を來すも畢竟從來の和歌がなだらかなる調子のみを取り來りしに因る者にて...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...なだらかな弧を描いている波打ち際...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...なだらかな小丘の裾(すそ)...
山川方夫 「夏の葬列」
...連り下るなだらかな牧場...
横光利一 「欧洲紀行」
...なだらかな傾斜と...
吉川英治 「宮本武蔵」
...なだらかで、長く尾をひいて、古代の墳墓に見られると同様なあの柔らかな円味を遺憾なく現わしている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...その移り行きは極めてなだらかで...
和辻哲郎 「鎖国」
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