...五体を貫(つらぬ)かれて居りましたが)中空(なかぞら)から落ちて来る一輛の牛車でございませう...
芥川龍之介 「地獄変」
...不思議にも昼間の中空(なかぞら)へ...
芥川龍之介 「仙人」
...中空(なかぞら)に垂れた北斗の星が...
芥川龍之介 「杜子春」
...一なだれの煙焔(えんえん)が半空(なかぞら)に迸(ほとばし)つたと思ふ間もなく...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...中空(なかぞら)に蒼白(あおじろ)く...
泉鏡花 「海の使者」
...中空(なかぞら)を雨の矢數(やかず)につんざきぬ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...中空(なかぞら)の温(ぬく)もりに...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...有無雲(ありなしぐも)の中天(なかぞら)をひとり寂しく鸛(こふ)の鳥...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...涙の谷の中空(なかぞら)を雲につらぬるそり橋か...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...あのしんとした中空(なかぞら)を夏(なつ)八月(はちぐわつ)の良夜(あたらよ)に乘つきつて...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...まつ青(さを)なまたの半(なかば)は中空(なかぞら)の雲をゆすぶる...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...まだ何処やらに夕ばえの色が残っている中空(なかぞら)に暗く濃く黒ずみわたっていた...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...『源氏物語』の中の花散る里――柳亭種彦(りゅうていたねひこ)の『田舎源氏』では中空(なかぞら)のような...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...遠く霞んだ中空(なかぞら)に...
二葉亭四迷 「余が翻訳の標準」
...降り乱れ汀(みぎは)に凍(こほ)る雪よりも中空(なかぞら)にてぞわれは消(け)ぬべきとその上へ浮舟は書いた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...真黒(まくろ)なる粉ひき車の輪中空(なかぞら)に聳(そび)え...
森鴎外 「文づかひ」
...真黒なる粉ひき車の輪中空(なかぞら)にそびえ...
森鴎外 「文づかい」
...ベセマー炉から中空(なかぞら)に吹上げる火の粉(こ)と...
夢野久作 「オンチ」
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