...参与物質の毎グラムにつきなお一層著しく多量な熱量を消費するような化学作用が起るかも知れないということの蓋然性を否定するようなものは絶対に何もないのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...それよりもなお一層忘れられない恐しいことがあったのです...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...そしてその呆れたのよりも頭布の綺麗(きれい)なのにはなお一層呆れてしまい...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...彼女の母はピラミッドの番をしているあのスヒンクスとあら野の獅子との中の子であった――彼女は女よりもなお一層不可思議なるものであった...
ロード・ダンセイニ Lord Dunsany 松村みね子訳 「人馬のにひ妻」
...巡査はなお一層強くそれを主張した...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...例えば、不忍池の濁水は、貸ボートの浮んでることよりも、蓮の青葉の繁茂してることよりも、なお一層、子供等が数ひきの小魚や小蝦をしゃくいあげてくれることによって、生きてる清水の幻想を与える...
豊島与志雄 「文学以前」
...不忍池の鰻は、なお一層、その道の人には有名である...
豊島与志雄 「文学以前」
...なお一層輝いてきました...
豊島与志雄 「雷神の珠」
...本来、駒井甚三郎は、科学工芸――ことに造船だの、新式兵器だのということに就いては、深甚(しんじん)なる研究も興味も持ってはいるが、土木建築となると、さほどに興味がないし、絵画彫刻となると、なお一層でした...
中里介山 「大菩薩峠」
...なお一層身に沁(し)みる程度が深いと見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...このハムムラビ法典よりなお一層古い法律が発見せられぬとも限らぬのである...
穂積陳重 「法窓夜話」
...なお一層ぞくぞくしたかもしれない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...なお一層(いっそう)わかりやすく話し出そうとした...
室生犀星 「後の日の童子」
...是は女の耕作よりもなお一層自然であり...
柳田国男 「木綿以前の事」
...なお一層ぴちぴちと跳ね返った...
横光利一 「旅愁」
...なお一層ヨーロッパの人々に誤解を生ぜしめる日本の特長が...
横光利一 「我等と日本」
...なお一層驚いてしまったのである...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
...歌の内容のなお一層単純なものにあっても同様である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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