...」酒でどろんと濁つた眼を葉藏にむけた...
太宰治 「道化の華」
...乳人が姫を抱きながら少しまどろんでいる隙(すき)に...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...うつら/\まどろんでいらっしゃるのかと思われましたが...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...海も――少くとも堡礁の内側の水だけは――トロリと翡翠(ひすい)色にまどろんでいるようだ...
中島敦 「環礁」
...道は依然どろんこ...
中島敦 「光と風と夢」
...村は魔術にでもかかつたやうに高台のうへにまどろんでゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...これはどろんと濁つた泥沼で...
北條民雄 「間木老人」
...その周辺が広くふわりゆるりと覆われていくそこここの村落も丘々もどこであろうと――未踏の森も――水面も――羽ばたいている精霊たちも――まどろんでいるものたちもみな――すっかり包み込まれてしまうのだ光の迷宮のなかへと――すると...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...おぼつかない日差しがドンヨリ障子にまどろんで居る様な日である...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...ヘットのどろんとした上皮(うわかわ)を...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「ネコとネズミのいっしょのくらし」
...ほんのちょっとまどろんだばかりと思ったのに...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それとばかり駆け付けたが早くもどろん...
山本笑月 「明治世相百話」
...うつら/\まどろんでる猫柳の芽...
横瀬夜雨 「春」
...御岳口(みたけぐち)から山街道へ走りましたが金を持った伊兵衛には途中でどろんをきめられ...
吉川英治 「江戸三国志」
...手枕をかってまどろんだ...
吉川英治 「篝火の女」
...まどろんだところ...
吉川英治 「私本太平記」
...どろんとした眼で見廻した...
吉川英治 「新・水滸伝」
...どろんと澱(よど)んだタバコの煙りの向うに映った――...
蘭郁二郎 「睡魔」
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