...ヨシ子は今にも眼の玉を引っくりかえしてしまいそうなどろんこの眼をして...
犬田卯 「米」
...すこし青味のついた液体の中に彼のいう「腸(はらわた)」なるものがどろんとよどんでいる...
海野十三 「生きている腸」
...どろんと口中にながれこんできた液体が...
海野十三 「太平洋魔城」
...重くどろんだ波の音もした...
田中貢太郎 「海異志」
...重どろんだ水は電燈の灯を大事に抱へて動かなかつた...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...湖の水は微陽(うすび)の射(さ)した空の下(もと)に青どろんで見えた...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...月の光がいかにもめでたくいかにも柔(やさ)しくまどろんでいる世界...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...頭脳(あたま)がどろんと澱(よど)んだように重かった...
徳田秋声 「爛」
...いかにも醉漢らしいどろんとした驚きの色を浮かべながら...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...道は依然どろんこ...
中島敦 「光と風と夢」
...どろんとした眼を上げて...
夏目漱石 「それから」
...相手の精神もどろんとしてゐるだらうし...
原民喜 「かげろふ断章」
...村は魔術にでもかかつたやうに高台のうへにまどろんでゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...しばし、まどろんだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...窓の外には真昼の陽がカンカンと当つてゐるのも知らずにどろどろとまどろんでゐた...
牧野信一 「毒気」
...「その金で小さな棺を買いその棺の中でいま私の可哀想な子がまどろんでいます...
宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
...仄暗(ほのぐら)い行燈の光の下にうつらうつらまどろんでいる病床の妻の窶(やつ)れはてた寝顔を見ては...
山本周五郎 「日本婦道記」
...どろんこになるまで飲んだ...
吉川英治 「大岡越前」
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