...どっちみち人間は助からないではないですか」「助かるか助からないか...
海野十三 「火星兵団」
...潜水艦はどっちみち沈没するか...
海野十三 「太平洋雷撃戦隊」
...どっちみち碌(ろく)なことはあるまいと恐れを抱(いだ)いていただけに「聴いてやろう」と云われるとかえって尻込(しりご)みをした...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...……孰方道(どっちみち)そんなりにしとかれしませんので...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...……ところが奴あ出しやがらないんだ、大間抜め!」「あんたは、まさか私からと言って借金を申込んだんじゃないでしょうね?」「ふむ……妙な御質問だね……」とマリ・デルは機嫌を損ねた、「どっちみち、僕からって言った方が、お前からなんて言うよりゃ、奴にあ一万投げ出し易かろうぜ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...だがどっちみち同じことだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「人の物を盗(と)ると……十両からこうなるんだぜ、九両二分まではいいが、十両からになると、どっちみち、こうなる運命はのがれられねえんだ、間男(まおとこ)と盗人(ぬすっと)は、首の落ちる仕事だよ」「まあ、お茶をもう一つ、おあがんなさいましよ」と、与八が熱いお茶の二杯目を七兵衛にすすめると、「こりゃどうも御馳走さま」「ここにたらし餅(もち)がある、よろしかあ、おあがんなさいまし」与八は、傍(かたえ)のほうろくの中にあったたらし餅をとり出して、お盆の上に載せると、「どうも済みませんねえ」七兵衛は与八のもてなしぶりを、ようやく不思議な色でながめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ことによると、どこぞへ引上げておいでなさるかも知れない、今時、新撰組といえば、泣く児もだまるんだそうだから、どこにいたって居所は知れそうなものだ、大急ぎ、九死一生の場合、今日明日のうちに首がコロリてんだから、そのつもりでお前、しっかりやっておくれ」こう言いつけて置いて、お角自身も急に伊太夫に向い、「大旦那様、では、わたしの方もこれから現場へ駈けつけてみますから――時が遅れてはいけません、救いの手が来るまで、どっちみち、現場へ因縁をつけて置いてみることに致します」かくてお角さんは、ゆらりと立ち上りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...がしかし清二は彼の顔に漾う苦悶(くもん)の表情をみてとって、「なあに、どっちみち、今となっては、内地勤務だ、大したことないさ」と軽くうそぶいた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...どっちみち、いずれはくずれる膝ですが、しからば御意にしたがいましょう」顎十郎は、燃え立つような繻珍の大褥の上に大あぐらをかいて、「どっこいしょ、こんな工合じゃいかがです」「結構でございますわ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...どっちみち夜中になってしまうが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...どっちみちそんななァぼくよけだろうと睨(にら)んでいたんでさァ...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...どっちみち命のないこの六人の人間...
久生十蘭 「地底獣国」
...どっちみち、一人は死んで、一人は行くことになってたんだ」「全くそうだね、元はって言えば、あの阿久津が、何時かのことを根に持って、こんなことを仕出かしたんだよ、卑怯な奴だ」と、池田はまた宿屋の伜を憎んでみた...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...どっちみち一夕十円標準でやろうと名をつけているのが...
宮本百合子 「「大人の文学」論の現実性」
...どっちみち愛によって生き又死ぬと云えるところがあるのだが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どっちみち凶状(きょうじょう)持ちとなった身だ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...おそらく彼は心から王倫に服している者ではないとおもう」「王倫の小人物であることは、かねがね聞いてはいましたが、しかし、ここへ来て、こう厄介になる以上は」「いや、どっちみち、このままではおさまらんよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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