...やるせなさがどことなく感(かん)じられるのでした...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...そのどことなく古武士のおもかげをさえもった謹厳な人格は...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...どことなく湿りを帯びて冷々とする大気のなかに...
薄田泣菫 「独楽園」
...どことなくとらえがたい...
妹尾韶夫 「「ザイルの三人」訳者あとがき」
...しかしどことなく軽浮の感をまぬかれない...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...どことなくいきなつくりの着物をきた女だった...
壺井栄 「二十四の瞳」
...物理学実験に使われる精密器械でさえも設計のまずい使ってぐあいの悪いようなのはどことなく見た格好が悪いというのが自分の年来の経験である...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...そしてどことなくイブセンの描いたのに似たような強い女も出て来た...
寺田寅彦 「春寒」
...どことなく気品のある彼女の顔につりあっていた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...どことなく肌寒(はださむ)の感じがする...
夏目漱石 「三四郎」
...どことなく土地は一種の羞しさうな處女の表情をしてゐる...
長谷川時雨 「春」
...どことなく丸味があって...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...どことなく消えている...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...どことなく面白いのである...
宮城道雄 「私のすきな人」
...平凡だけれどもどことなく生新ですっきりもしている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...きょうはまだどことなく落付かない心持です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...背の高いどことなく苦味を帯んだ矢代の姿を上から下まで見下した...
横光利一 「旅愁」
...どことなく騒音のある洛内だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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