...たったひとりで、岩山のてっぺんに腰をおろして、ひざの上にほおづえをついて、じっと、いつまでも、海をながめているのです...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...そうとは知らないものですから、塔の上の小林君は、ひとりで、もどかしがっていましたが、すると、そのとき、空のかなたから、ブーンという、ぶきみな音が、ひびいてきました...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...げらげらひとりで笑つてゐたといふ話を聞いたときのはうが凄く感じた...
小穴隆一 「二つの繪」
...この東京にさっさとひとりで生活の根をおろしている...
高見順 「いやな感じ」
...・ひとりで障子いつぱいの日かげで・おちつけば茶の花もほつ/\咲いて煮えるもののかげがある寒いゆふべでしづかに読む...
種田山頭火 「其中日記」
...すべての役をひとりで務めるのが定めだと...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...ひとりでブツブツいいながら裏山をおりて川の岸までゆくと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ひとりでうけ答えしながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...彼がひとりで惡い場所へ通ひ出してゐることがわかつた...
堀辰雄 「顏」
...そしてひとりで、隣室の誰一人もがその助力に取りかゝらうとしないのに腹をたてゝ焦慮した...
水野仙子 「輝ける朝」
...またその神にそむく罪はわたくしひとりでしよつてぜひとも助けてあげようと思ひました...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...「希望と理想と満足とがひとりでに胸をしめ上げて来る」という状態で就任する...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...ひとりでに峯子が自分の感情を持ってゆく...
「今朝の雪」
...げらげらひとりで笑っていました...
室生犀星 「不思議な魚」
...ひとりでことを行わねばならないのだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それが村人のひとりであるかぎり...
柳田国男 「母の手毬歌」
...だって夜中にひとりでいらっしゃるなんて...
横光利一 「旅愁」
...吉野朝以前からというここの古い砦型(とりでがた)の城を仰ぐと...
吉川英治 「宮本武蔵」
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