...その場は趙先達がうまくとりつくろってくれた...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...そして男の持つた違つた世界を見た彼女はとりつく島もないやうな絶望の淵に沈んで行つた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...どうしてもこの場の事態をとりつくろうためには...
大阪圭吉 「闖入者」
...お使者もとりつくしまがなくて逃げだされたのでござりました...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...――銭一銭米一合残っているだけだ!ひなたまぶしく飯ばかりの飯をまぶしくしらみとりつくせない老木倒れたるままのひかげ街のある日のあるところハイヒールで葱ぶらさげて只今おかへり今日の太陽がまづ城のてつぺん道べり腰をおろして知らない顔ばかり旅のほこりをうちはらふ草のげつそり枯れた旅の旅路の何となくいそぐ十一月十四日 晴――曇...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...という風にとりつくろいました...
豊島与志雄 「肉体」
...ひとりつくづく思案に耽(ふけ)っていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...裾(すそ)の乱れたのが急にとりつくろわれて...
中里介山 「大菩薩峠」
...一方が体裁をとりつくろうことに...
中里介山 「大菩薩峠」
...とりつく島はござりませぬ」「それも...
中里介山 「大菩薩峠」
...とりつくに人を欠いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...曝露した峯脈へとりつく...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...相手が相手なので素早くとりつくろって...
野村胡堂 「踊る美人像」
...物馴れた商人(あきんど)らしく一瞬の間に取繕(とりつくろ)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...毛布や布団をとりつくろって...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...圭介はとりつく島もなさそうに...
堀辰雄 「菜穂子」
...そんな従弟(いとこ)の方をお照はとりつくしまがなさそうに見ながら...
堀辰雄 「三つの挿話」
...とりつくしまのない...
山本周五郎 「契りきぬ」
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