...薄い夕闇を透して灯火(ともしび)の影がなつかしい色を放ってちらちらと見え出してくる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...そして南口の大隊の運命も風前(ふうぜん)の灯(ともしび)にひとしい...
梅崎春生 「日の果て」
...うすぐらいともしびのゆらめくたのしさにも似て...
大手拓次 「藍色の蟇」
...わきたつ無数のともしびをてらして ひそみにかくれ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...燈(ともしび)差(さ)し向けて何者と打見やれば...
高山樗牛 「瀧口入道」
...燈火(ともしび)の光の中に出ました...
田中貢太郎 「宇賀長者物語」
...双明(そうめい)の燈(ともしび)を焼毀(しょうき)し...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...盡きぬは恨み春の雨ともしび暗きさよ中の夢のたゝちをいかにせむありし昨日の面影に替はらぬ笑みも含ませて名におふ花の一枝は嗚呼その細き玉の手に...
土井晩翠 「天地有情」
...偐紫楼(にせむらさきろう)の燈火(ともしび)は春よりも夏よりも徒(いらずら)にその光の澄み渡る夜(よ)もやや深(ふ)け初(そ)めて来た頃であった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...その時美しい灯(ともしび)の影が...
夏目漱石 「永日小品」
...鼻の先の灯火(ともしび)を一時に寒く眺めた...
夏目漱石 「思い出す事など」
...人の世の灯(ともしび)が下から朗かに照らしている...
夏目漱石 「虞美人草」
...入谷金杉(かなすぎ)あたりの人家の燈火(ともしび)が散見(ちらつ)き...
広津柳浪 「今戸心中」
...いつになく独りにて燈火(ともしび)に向かわんことの心憂さに...
森鴎外 「舞姫」
...帳(とばり)の隙から弱い燈火(ともしび)がそこに声もなく揺れている...
吉川英治 「江戸三国志」
...正面の小さい壇に明々と燈火(ともしび)を照らし...
吉川英治 「三国志」
...小谷の城の燈火(ともしび)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...今夜は燈火(ともしび)がついている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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