...賑(にぎや)かな町の中を独りとぼとぼと尋ね飽倦(あぐ)んで...
泉鏡花 「歌行燈」
...とぼとぼと馬を進むる憂(う)き旅路...
ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri 上田敏訳 「きその日は」
...余は一人になってから一種名状し難い心持に閉されてとぼとぼと上野の山を歩いた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...馬はおとなしくとぼとぼと歩いた...
高浜虚子 「富士登山」
...謙作はしかたなしにとぼとぼと引返した...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...とぼとぼと歩いて行った――何も知らずに...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「幻想」
...泥濘の中をとぼとぼと自分の家の方へと行つた...
田山花袋 「道綱の母」
...車夫(くるまや)はぼとぼとぼとぼと引いて行きましょう...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ネロのそばをとぼとぼと歩いていました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...(何んなに、顔を見たかっただろうか)寛之助が、灰色の、広々とした中を、ただ一人で、とぼとぼと、果もなく、父を恋い、母を求めて歩いて行く姿が考え出されて来た...
直木三十五 「南国太平記」
...とぼとぼと稿を続けて行った十二一八九三年六月二十四日戦争近かるべし...
中島敦 「光と風と夢」
...とぼとぼと歩いて元来た途(みち)の方へ帰りました...
野口雨情 「虹の橋」
...蝙蝠(こうもり)が飛び出して、あっちこっちで長い竹棹(ものほしざお)を持ちだして騒ぐ黄昏(たそがれ)どきに、とぼとぼと、汚れた白木綿に鼠の描いてある長い旗を担(か)ついで、白い脚絆、菅笠(すげがさ)をかぶってゆく老人の姿は妙に陰気くさくいやだった...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...よく彼はとぼとぼとこの路を歩いていたものだ...
原民喜 「永遠のみどり」
......
原民喜 「魔のひととき」
...絵筆をかついでとぼとぼと荒野の中をさまよへば初めて知つた野中に天に続いた道がある自分の心に独りごといひながら私は天に続いた道を行く...
松本竣介 「天に続く道」
...とぼとぼと河岸(かし)づたいに送って行く...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...そしてとぼとぼと歩き始めると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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