...しかし彼等の旗や槍は畢(つひ)に彼等のエネルギイを示したのにとどまるばかりだつた...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...ただ「呑氣な人」「面白い人」と云ふにとどまるらしい...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...教育が机上の空論にとどまるものならば...
丘浅次郎 「生物学より見たる教育」
...宋人の茶に対する熱狂はとどまるところを知らなかった...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...わたしはこう答えたものだ――やらせたまえ――(それがわたし自身の教育の最もよい一部であったことを思いだしつつ)――かれらを狩猟家にしたてたまえ――最初はただ遊猟家にとどまるかもしれないが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...とどまるところなき言葉の洪水...
太宰治 「創生記」
...この町にとどまることはとても考えられぬ仕儀だった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...その改革の猛勢はとどまらんと欲してとどまるを知らざるの一点に至りては千古の奇観ほとんどわが東洋の歴史に比類なきを見るなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...それからまた四年間は修練女の地位にとどまる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そちは誰じゃ」そこで神尾が踏みとどまると...
中里介山 「大菩薩峠」
...兵馬も全くあしらい兼ねているものの、いつまでも黙ってもいられないので、「そういうわけではない、なにも拙者が君を捨てて、この地を立とうというわけもなし、また君にしてからが、拙者に捨てられたからといって、左様に泣き悲しむ筋もあるまい――拙者には君の感情の昂(たか)ぶっている理由がわからないのだ」「そりゃ、おわかりにならないでしょう、あなた様なんぞは、立派な男一匹でいらっしゃるから、今日は信濃の有明、あすは飛騨の高山、どこへなり思い立ったところへ、思い立った時にいらっしゃる分には、誰に御遠慮もございますまいけれども、わたしなんぞは……わたしなんかは……そうは参りません……」「拙者とて酔興で他国を流浪しているわけではない、行くも、とどまるも、それはおのおの生れついた身の運不運、如何(いかん)とも致し難い」「如何とも致し難いですましていらっしゃられるのが羨(うらや)ましうございますわ、少しはわたしたちの身にもなってごらん下さいましな」福松はここでまた、さめざめと泣きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...五十三こういう頭から出て、とどまると言い、出ると言う以上は、力を以て引留めることの限りではないと、駒井甚三郎もややにさとりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ顧問にとどまるのみ...
福沢諭吉 「学問の独立」
...もとより今の小学校にとどまるべからず...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...地を裂(さ)く雷火(らいか)一ごろんと石段の下にとどまると...
吉川英治 「神州天馬侠」
...山泊(やま)の一頭領となってとどまることを...
吉川英治 「新・水滸伝」
...都にとどまる空しさより...
吉川英治 「平の将門」
...光はしばらく西山の峰(みね)にとどまる...
吉川英治 「梅里先生行状記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??