...小林君は、とっさに、その意味をさとりました...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...とっさに「これが女首領だな...
江戸川乱歩 「大金塊」
...とっさに思いだすのは時限爆弾のこと...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...とっさには、何ものとも、見わけられませんが、ともかく、まっ黒に光った大グマほどもある、ながい足の何本もはえた怪物です...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...とっさに、うまい嘘(うそ)も思い浮ばず、「あちこち、あちこち」と言い、「皆、めしはすんだのか」などと、必死のごまかしの質問を発し、二重まわしを脱いで、部屋に一歩踏み込むと、箪笥(たんす)の上からラジオの声...
太宰治 「家庭の幸福」
...私はそのとっさに...
豊島与志雄 「道化役」
...」と、とっさに少女は、そう反射的に言いかえして、彼の手をしっかり握った...
中島敦 「プウルの傍で」
...表情はとっさに変る...
夏目漱石 「虞美人草」
...とっさに九太の生活が幸福でないことを嗅いだ...
林芙美子 「帯広まで」
...病人はとっさに紙を枕元に隠し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...とっさにある事態をもう直感した容子だった...
吉川英治 「黒田如水」
...とっさに馬のたてがみへ顔を沈めたが...
吉川英治 「三国志」
...叫んでとっさに斬り伏せた...
吉川英治 「三国志」
...――高氏もとっさに刎(は)ね返(かえ)されている...
吉川英治 「私本太平記」
...宮門の内へか」「理不尽(りふじん)な」と、唇を噛んでいたのみで、とっさに、なすべきことも知らなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...宮はとっさに、傍(かたわ)らの桜の大樹の肌を削って、道誉の矢立の筆を借りうけ――天、勾践(コウセン)ヲ――の二行十字の詩句を半ば夢心地で書いたのだった...
吉川英治 「私本太平記」
...とっさに枕(まくら)もとへおいて寝た...
吉川英治 「神州天馬侠」
...とっさに、情夫(おとこ)の西門慶(せいもんけい)の姿が梯子段(はしごだん)をころげるように降りて来るなり、隣家の王婆の裏口へ消えて行ったし、女の金蓮(きんれん)は金蓮でまた、俄(にわか)にわが手で髪を揉(も)みくずし、紅白粉(べにおしろい)を洗い落すなど、今日も二階で逢曳(あいび)きの痴夢(ちむ)に現(うつつ)なかった男女(ふたり)には何ともやさしい仰天ではなかったらしい...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索