...山岳重畳して到るところ天然の障壁をなし...
太宰治 「津軽」
...嗚呼コーカサス峯高く千重の叢雲むらだちて下界のひゞきやむところ天上の火を奪ひ來し彼のたぐひか青ぐもの大空翔くる鷲一羽あらしははげし道遠し...
土井晩翠 「天地有情」
...その兵鋒向かうところ天下に敵なく...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...必要の向かうところ天下に敵なし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...もはや最後も遠からず覚え候(そうろう)まま一筆(ひとふで)残しあげ参らせ候今生(こんじょう)にては御目(おんめ)もじの節(ふし)もなきことと存じおり候ところ天の御憐(おんあわれ)みにて先日は不慮の御(おん)目もじ申しあげうれしくうれしくしかし汽車の内のこととて何も心に任せ申さず誠に誠に御(おん)残り多く存じ上げ参らせ候車の窓に身をもだえて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...しかし結局のところ天性は彼女自身の力よりも強かった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...詰(つま)るところ天璋院様の何になるんですか」「あなたもよっぽど分らないのね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...いたるところ天から優しい眼をもって見られた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...見渡したところ天然の彩色が少し淋しいと思った...
柳田国男 「雪国の春」
...詰るところ天一坊の悪事は摘発され...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...つまるところ天青にはそれらの勘定を支払うべき余り分がないばかりか...
山本周五郎 「陽気な客」
...蕎麦はモリ、カケ八厘が相場、湯銭も大人八厘、八百屋乾物屋にもひとやま一袋八厘の札が見え、縁日の玩具屋前通りは八厘、そのほか夏の氷水、ところ天、冬の甘酒、飴湯まで、たいていは天保本位、銅貨の一銭より大きいだけに、欲のない連中はこの方へ手を出したが、とうとう明治の十九年限りで通用禁止、その後は全く古銭扱いだが、今見るとよくもこんな無器用な恰好の銭を調法がって持ち歩いたものだとつくづく感心...
山本笑月 「明治世相百話」
...「ところ天やてんや」と真鍮のお椀へ突いてくれる心天(ところてん)売り...
山本笑月 「明治世相百話」
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