...いい加減のところでやめてしまい...
犬田卯 「米」
...「おまえの説明し来ったところでみると切字というものは少しも普通の文章や会話の用語と変わったところはないではないか...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...「矢萩さんはあんたが上海の砂馬さんのところでワラジをぬぎさえしなかったら...
高見順 「いやな感じ」
...「実は、わたくしとフョードル・パーヴロヴィッチとのあいだに、一つ秘密があるのです、御承知でもございましょうが(たぶん御承知でございましょうね)、旦那はこの三、四日、夜になると、いえ、早い時には宵の口から、部屋の内側から扉に鍵をおろしておしまいになります、もっとも、あなたはこのごろでは、毎日早く、二階の居間へ引っこんでおしまいになりますし、昨日はまるでどこへもおいでになりませんでしたから、おおかた御存じないかもしれませんが、旦那はこのごろ夜になると、念入りに戸締まりをなさるのでございます、それでグリゴリイ・ワシーリエヴィッチが行っても、声が確かにそうだとわからないあいだは、けっして扉をおあけになりません、ところで、グリゴリイ・ワシーリエヴィッチはあんまり来ませんから、今のところお居間のお世話をするのは、わたくし一人でございます――これはアグラフェーナ・アレクサンドロヴナの悶着(もんちゃく)が始まって以来、旦那が御自身でお決めになった手はずです、しかし夜になると、わたくしは旦那の言いつけで、傍屋(はなれ)のほうへさがってやすみますが、それでも夜半ごろまでは寝ずに、ときどき起きては庭を見回って、アグラフェーナ・アレクサンドロヴナのおいでを待ち受けていなくてはなりません、なにしろ旦那はこの二、三日というもの、まるで気ちがいのように、あの女を待ちきっておいでなんですから、旦那のお考えでは、あの女はお兄さんを、ドミトリイ・フョードロヴィッチを(旦那はいつもミーチカとおっしゃってですが)こわがっているから、夜もよっぽど遅くなってから、裏道を通ってお見えになるに違いない...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...碓氷の貞光(さだみつ)の屋敷跡だといって伝えられてるところでございます」がんりきの百は...
中里介山 「大菩薩峠」
...零下八十度にも九十度にもなるところで...
中谷宇吉郎 「冬ごもり」
...ところで、お曾與殺しに、何か心當りはあるかい」「大ありですよ、誰もあの阿魔(あま)を締め手がなきや、あつしがやるつもりだつたんで――」「まア、兄さん」妹のお袖は側からあわてて止めました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...飛んだご縁ね」「ところで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ところで、このことはすべてそう簡単じゃないんですわ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ロードスターは海岸の車止のところで横倒しになり...
久生十蘭 「ノア」
...そしてそれは余も亦意とするところである...
牧野信一 「余の倅に就いて」
...生活に一貫した何の気分もないところでは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ほとんとその全部が山男たちの関与するところではなかった...
柳田国男 「山の人生」
...同じところであった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ところで女の芸人には一向綽名を奉らず...
山本笑月 「明治世相百話」
...まだ眠っていたところである...
吉川英治 「三国志」
...さっき上がりがけに見たところでは...
吉川英治 「源頼朝」
...――ところでおまえは宝蔵院へ行くといったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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