...そう倉地にでも岡にでもいってやりたいほど葉子の心はとげとげしくなっていた...
有島武郎 「或る女」
...君の心は妙にしんと底冷えがしたようにとげとげしく澄み切って...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...とげとげしさの感じが失はれてゐないだけに...
薄田泣菫 「独楽園」
...もうだいぶ長く雨風にさらされて白くされ古びとげとげしく木理(もくめ)を現わしているのであるが...
寺田寅彦 「小浅間」
...灰色の瞳は驚くほど鋭くとげとげしい...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...」葉子があまり刺々(とげとげ)しい口を利くので...
徳田秋声 「仮装人物」
...可憐(かれん)な暴君である葉子のとげとげしい神経に触れることも厭(いと)わしかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...とげとげした調子で二階へあがって行くまで...
徳田秋声 「爛」
...とげとげしたところさえ出て来ました...
豊島与志雄 「食慾」
......
中原中也 「在りし日の歌」
...もう引取っても構わないよ」棘々(とげとげ)した言葉...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...とげとげしい言葉が交わされたあの日...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...まるで何か怒つてゐるやうに刺々(とげとげ)してゐる……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...筆致が奇形にとげとげしくなり...
牧野信一 「悪筆」
...その微笑(びしょう)にはどことなくとげとげしいざんこくな様子が見えたが...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...バックの北国のとげとげしい環境にあつて生き抜くことに適しているしるしとなつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...鼠に噛じられたような棘々(とげとげ)しい下弦の月の光りと...
夢野久作 「戦場」
...どれほど彼の棘々(とげとげ)しい心をなだめていたかしれない...
吉川英治 「新書太閤記」
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