...けれどもあの透きとおるような海の藍色(あいいろ)と...
有島武郎 「一房の葡萄」
...骨のずいまでしみとおるようでした...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「雪だるま」
...「三隻よりなる哨戒艦隊、東四十度、三万メートル!」オルガ姫は、すきとおる声で、近づく艦艇を測量した結果を、報告した...
海野十三 「地球要塞」
...その命令がとおると...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...可愛いすきとおるほど白い小さい手であった...
太宰治 「美少女」
...女の体は青黄(あおぎい)ろく透(す)きとおるように見えた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...心身の奥底まで沁(し)みとおるものではあるが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...わが記者たりし時世に起りし事件にていまに記憶するは星亨(ほしとおる)の刺客(せっかく)に害せられし事と清元(きよもと)お葉(よう)の失せたりし事との二つのみ...
永井荷風 「書かでもの記」
...頭のなかを風が吹きとおるように思われた...
久生十蘭 「金狼」
...空の高みをそよ風が吹きとおるように...
久生十蘭 「雲の小径」
...向う座の四畳半も南だけ開いて風が台所の方からだけとおるから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そんな理屈がとおるかい」「おばさんの云うように云えばそうなるけどね」と若い巡査はまた帽子をぬいで汗を拭いた...
山本周五郎 「青べか物語」
...きゅうに家のなかが春風のふきとおるようなにおやかな気分につつまれたものである...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「鶉の叩きよ」とおるいが云った...
山本周五郎 「へちまの木」
...とおると思うか」「侯はそのつもりです」甲斐は喘いだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...百禽(ももどり)の声もよく澄みとおる...
吉川英治 「三国志」
...吹きとおる風だけが爽(さわ)やかであった...
吉川英治 「親鸞」
...色はすきとおるほど白く...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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