...けれどもこの歌はとうの昔にもう斎藤茂吉(さいとうもきち)君の歌集に出てゐるのに違ひなかつた...
芥川龍之介 「変遷その他」
...とうの昔に尋常な女になり済ましていて...
有島武郎 「或る女」
...彼等はとうの昔に...
海野十三 「恐怖の口笛」
...それは彼女にとうの昔忘れてゐた嫉妬を再び思出させるかも知れない...
竹久夢二 「砂がき」
...とうの昔に自殺している...
太宰治 「創生記」
...夫は私がとうの昔から鍵の所在を知っていたことを...
谷崎潤一郎 「鍵」
...父親はとうの昔に亡くなり...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...とうの昔に完全なコンプリート(訳注 原語は Complexion に当る外来語で「体格」の意味...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...なんていう事はとうの昔に知り抜いている...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...』もうとうの昔に私の愛は消えてしまった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...ついでに導線の接合をすっかりハンダで付けさせようと思ったが前の電気屋はとうの昔どこかへ引っ越していなくなったし...
寺田寅彦 「断水の日」
...それがもうみんなとうの昔に故人になったしまって...
寺田寅彦 「追憶の医師達」
...とうの昔に何かしら相当な対策を考えてこれに備え...
寺田寅彦 「津浪と人間」
...それとももうとうの昔になくなっているかもしれない...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...品川の女郎上がりのお滝――恥も外聞もとうの昔に摺(す)りきらしてしまった凄い年増が軍師で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あとの一人はとうの昔に...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...とうの昔に手を回して書き換へから登記までも済ませてゐるといふのも知らないで...
牧野信一 「鬼の門」
...とうの昔にクリステンダムのセント・ジヨウジに退治された筈の飛竜が再び生を得て...
牧野信一 「変装綺譚」
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