...「腫物(できもの)が出来ましてね...
芥川龍之介 「上海游記」
...或る時自分で男を見つけて「あの人ならば」と云ったのでとにかく心まかせにした方がと云って人にたのんで橋をかけてもらい世を渡る事が下手でない聟だと大変よろこび契約の盃事まですんでから此の男の耳の根にある見えるか見えないかほどのできもののきずを見つけていやがり和哥山の祖母の所へ逃げて行くと家にも置かれないので或る屋敷の腰元にやった...
井原西鶴 宮本百合子訳 「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」
...」「吹き出すものは吹き出させて置くがいいぢやアないか? まさか出來物(できもの)ぢやあるまいし...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...私は今度躯(からだ)に腫物(できもの)が出来たので...
岩村透 「死体室」
...他国にて腫物(できもの)にいむは...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...あなたの赤ちゃんのできものを切開してあげたんですから...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...たとへこの穢いできものだらけの子でもが...
中勘助 「銀の匙」
...腫物(できもの)だらけの赤児(あかご)を背負い汚い歯を出して無駄口をききながら物を洗っている...
永井荷風 「監獄署の裏」
...これはできものだと言った...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...一面にぶつぶつした腫物が――不健康なできものがあって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「墓地へゆく道」
...びっくりして立ちあがって急(いそ)いできもののえりを直(なお)し...
宮沢賢治 「貝の火」
...躯(からだ)はできものだらけで...
山本周五郎 「青べか物語」
...できものだらけで毛の剥(は)げちょろけたような犬でさえ...
山本周五郎 「山彦乙女」
...腫物(できもの)たかりだの...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...「背なかの腫物(できもの)をこの眼で見たい...
吉川英治 「私本太平記」
...腫物(できもの)だらけな子どもを負い...
吉川英治 「新書太閤記」
...胡麻粒(ごまつぶ)ほどな腫物(できもの)になっていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...どんより澱(よど)んだ沼の腫物(できもの)のようでもある...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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蝕まれた 厭倦 惚れて通えば千里も一里
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