...そして、つまるところ、このかたつむりをふみつぶすといふことは、大きな罪ををかすやうな気がしてなりません...
鈴木三重吉 「かたつむり」
...しかし、つまるところ、社会主義とキリスト教とを混同するのは、単に自由主義者とディレッタントばかりではなく、多くの場合、憲兵もその仲間にはいるようですね...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...だからつまるところは創作家の態度も常人の態度も同じ事に帰着してしまいます...
夏目漱石 「創作家の態度」
...逃げる逃げるとへんに力むので、妙だと思っていたが、つまるところ、〈あたしのような美人〉がこんなところにまごまごしていると、アメリカ人がみな〈うっとりしてしまう〉ので気の毒だということをいいにきたわけなんだ...
久生十蘭 「だいこん」
...つまるところ、この臼砲は厖大に仕立てることによって、故意に諸元を狂わしてあるが、それは臼砲の効用を好戦的な日本人に知らせたかったからだと、咄嗟(とっさ)にオランダ人の心情を看破した...
久生十蘭 「ひどい煙」
...財産税というものの正体がつまるところは大衆課税であって...
宮本百合子 「女の手帖」
...「しかしつまるところ...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...つまるところ、藤六の風変りな信仰であったろう...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...つまるところ蔵元屋の家内中がキリキリと引締まっておりまする...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...不覚な免許取りが在ったものじゃが、つまるところ、そこから間違いの仇討(あだうち)が初まった訳じゃ……その第一の証拠には、その旗本が斬られたという五月の頃おい、拙者はまだこの福岡に在藩しておったからのう……ハハハ...
夢野久作 「斬られたさに」
...つまるところは聖人以外の誰にでも出来る平々凡々振りであるが...
夢野久作 「近世快人伝」
...つまるところ正木先生と私と二人の共同の事業といったような恰好で……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...つまるところ世界中で最高度に洗練された芸術である...
夢野久作 「能とは何か」
...つまるところ遺憾ながら...
夢野久作 「鼻の表現」
...このお城の命は、つまるところ、お台所から上げる食物の如何にある...
吉川英治 「新書太閤記」
...一体、そっちの恨みという事情は……?」「それは一朝(ちょう)一夕(せき)に話せぬが、つまるところ、お千絵という世阿弥(よあみ)の娘も、弦之丞に思いをよせて、あいつに逢うのを一念で待っているのだ」「そのお千絵に、お前(めえ)が嫌われているという筋か」「ちょうど、お身がお綱に嫌われているごとく」「エエ、口が減(へ)らねえ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...つまるところ両国の盗児観は...
吉川英治 「人間山水図巻」
...つまるところ自分のことはあきらめて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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