...ほんのつまらない人間にすぎないことがわかったからだ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「わたくし自身について」
...つまらない人々の中で生きなければならないことはつらい! リヒノフスキーが僕のためにはここでの最も確かな友だといえる...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、フランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラー Franz Gerhard Wegeler、エレオノーレ・フォン・ブロイニング Eleonore von Breuning、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...六番目の最もつまらない人物はブラウンという名で通っている小柄な英国の坊さんであった...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...それをつまらない人間は常に見落しているのだ...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...つまらない人間だという看板を上げているに等しいのだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...それをあなたは嫌(いや)がっていらっしゃるのでしょう? 私がつまらない人間であるのをお許しくださいね...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どんなつまらない人間でも...
中谷宇吉郎 「長岡と寺田」
...そんなところへ行くと僕はつまらない人間に違ないです」愛嬌(あいきょう)に調子を合せるとは思えない...
夏目漱石 「虞美人草」
...實につまらない人事には...
長谷川時雨 「裸女の畫」
...肉体的には案外つまらない人であったが...
林芙美子 「晩菊」
...今までなんてつまらない人生だったか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...つまらない人もあり...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...「つまらない人間ですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そんなつまらない人ではきっとないと思います...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...けれども退屈なつまらない人間と同道するくらいならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「私はごくつまらない人間で...
山本周五郎 「いさましい話」
...剣術がちょっとうまいだけのつまらない人間だ...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...「笑ったりしてごめんなさい、どうして笑ったりしたのかしら、笑うような気持はこれぱかりもなかったのに、そうよ、もちろんあなたを笑ったんじゃありません、自分を笑ったのよ、黒田さん」とおみやは云った、「おととしのあのときだったら、いまのお言葉であたしは泣いたかもしれません、きっと嬉し泣きに泣いたわ、だって、あのときはそのお言葉をうかがいたかったんですもの、いまのお言葉をうかがいたいために、あなたに此処へ来て頂き、恥ずかしい身の上ばなしをしたんですもの、あたしあのとき、なにもかもうちあけて、きれいな気持になって、まじめな女に生れ変るつもりでいたんです、向島で初めて、あなたにお会いしてから、あたしはずっとそういう気持でいましたわ、兄とも縁を切り、そのほかのこともすっかり始末して、まじめな女になるつもりだったんです、本気でそう思いつめていたんです、――ところがあなたは、あたしの気持なんか察しようともなさらず、証書の話しになるとすぐさま、それを盗めと仰しゃった、あなたまでが、――兄のためにさんざん利用され、恥ずかしいおもいをして来て、そういうことからきっぱり手を切ろうと、現に話しているとき、そして、生れ変るためには、あなた一人が頼りだと思っていたときによ、黒田さん」「私はむりにとは云わなかった筈だ、危険も伴うしむずかしいことだから、気がすすまなかったらよしてもいいと云った筈だ」「ええそう、そのとおりよ」とおみやが云った、「あなたはそう仰しゃったし、証書を盗みだすかどうかは関係のないことよ、あたしが云いたいのは、あなたまでがあたしを利用しようとなすったことよ、あなたが証書を盗めと仰しゃるのを聞いたとき、あたしがどんな気持だったかわかりますか、わかるわね、いまならおわかりになるわ、わかるからこそ、あたしを妻にしてもいいなんて、仰しゃったんでしょ、そうでしょう、黒田さん」「私は心にもないことは云わない、貴女さえよければすぐにでも結婚します」「よして下さい」とおみやがいった、「そんなことを聞くとまた笑いたくなりますから、もうそれだけは二度と口にしないで下さい」「貴女は酔っているんだ」「酔うどころか、あたしはもう死んじゃってますよ」おみやは嘲(あざ)けるように云った、「あのときあなたの云った一ト言で、あなたの知っている滝尾という女は死んでしまいました、あなたの一ト言でよ、黒田さん」「しかし私は云ったと思う、証書のことを頼んだのは、私自身のためではなく、旧主人と伊達家ぜんたいのためだということを」「そんなもの潰(つぶ)れちまうがいいわ」とおみやは乱暴に遮った、「伊達家も六十万石も、あたしにはこれっぱかりの縁もありゃしない、そんなもの潰されようとばらばらにされようと、あたしの知ったことじゃないわ」「しかし私にとっては一身を賭(と)しても護らなければならないものだし、もし私の妻になるとすれば、貴女にとっても」「よして下さい、よして、それだけはもう云わないようにって、断わったでしょ」おみやは暴(あら)あらしく遮った、「まだ云いたいことがあるんだけれど、云ってもしようがないようだし、云う張りあいもなくなったわ、あなたはいい人よ、黒田さん、忠義で生(き)一本で、いかにもお侍らしいお侍よ、だけれども、つまらない人よ、退屈でつまらない人よ、あなたは、――ああさっぱりした、ごめんあそばせ」「どうするんです」「人が待ってますの」おみやは立ちあがった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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