...毅然たる中に、つつましやかさ、優しさ、女らしさを備えていることは、日本女性の持つ美徳でありこれあってはじめて、いざという場合真の強さが発揮される...
上村松園 「大田垣蓮月尼のこと」
...わたしはそのまだやわらかく、つつましやかな、あかるい紫色に目をとめる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...つつましやかにモナ・リザは歩み去れりモナ・リザは歩み去れり深く被はれたる煤色(すすいろ)の仮漆(エルニ)こそはれやかに解かれたれながく画堂の壁に閉ぢられたる額ぶちこそは除かれたれ敬虔の涙をたたへて画布(トワアル)にむかひたる迷ひふかき裏切者の画家こそはかなしけれああ...
高村光太郎 「ヒウザン会とパンの会」
...X夫人のつつましやかな言動の底に異常な決心が固められているのを早くも...
辰野隆 「感傷主義」
...おまえは立派に完成したといっても本当にはしないだろうな? おまえはつつましやかにわしを見つめたまま...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...惹かれた迄はつつましやかであつたが...
中原中也 「詩に関する話」
...雄花をつつましやかに咲きそろわせ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...病氣がお前の日頃のつつましやかな...
南部修太郎 「疑惑」
...障子は、左右が半間(げん)づつの板戸に仕切られ、腰板のないのが二枚、つつましやかに、ものしづかに並んで、晝間もほのぐらさのただよつてゐる部屋の中へ無遠慮に押し入らうとする強烈な日光を、方六尺の白紙で遮り止めてゐた...
野上豐一郎 「桂離宮」
...祝言は多賀屋の身代にしては出来るだけつつましやかに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...つつましやかな彼は...
夢野久作 「殺人迷路」
...つつましやかに石持氏に渡した...
夢野久作 「暗黒公使」
...先方から、つつましやかに、「お早よう御座います」とか何とか言葉をかけられても、頭の中に創作の内容を一パイに渦巻かせていた私はただ「ああ」とか「うう」とかいったような言葉にならない返事をして、ちょっと頭を下げる位が関の山であった...
夢野久作 「眼を開く」
...つつましやかに足曲げて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...つつましやかさとを備えていることをいうのである...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
...つつましやかさとを要求します...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
...つつましやかに控えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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