...南蛮(なんばん)の如来(にょらい)とはそう云うものでございますか?」女はいままでのつつましさにも似ず...
芥川龍之介 「おしの」
...伝統と教養とに培(つちか)はれた士人にも恥ぢないつつましさがある...
芥川龍之介 「わが散文詩」
...教授のおだやかな性格には日本の人たちがどこか遠慮ぶかいつつましさをそなえていることをゆかしくも思われたのでした...
石原純 「アインシュタイン教授をわが国に迎えて」
...佗助はまた何といふつつましさだらう...
薄田泣菫 「独楽園」
...侘助はまた何といふつつましさだらう...
薄田泣菫 「侘助椿」
...私は、こんな吹出物して、心まで鬼になってしまっているのだな、と実状が薄ぼんやり判って来て、私が今まで、おたふく、おたふくと言って、すべてに自信が無い態(てい)を装っていたが、けれども、やはり自分の皮膚だけを、それだけは、こっそり、いとおしみ、それが唯一のプライドだったのだということを、いま知らされ、私の自負していた謙譲だの、つつましさだの、忍従だのも、案外あてにならない贋物(にせもの)で、内実は私も知覚、感触の一喜一憂だけで、めくらのように生きていたあわれな女だったのだと気附いて、知覚、感触が、どんなに鋭敏だっても、それは動物的なものなのだ、ちっとも叡智(えいち)と関係ない...
太宰治 「皮膚と心」
...……□藪柑子! 何といふつつましさ...
種田山頭火 「其中日記」
...つつましさがしどけないものに被われていた...
豊島与志雄 「反抗」
...この驚くべきつつましさは...
野村胡堂 「胡堂百話」
...これ迄の教育は、学校でも社会でも、つつましさ、女らしさというものを、無智や卑屈さと同じもののようにして、少女たちにつぎ込みました...
宮本百合子 「美しく豊な生活へ」
...生活のつつましさ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しみ一つない照りのつつましさにいよいよ彼らは心にある決意を固める一方だった...
室生犀星 「姫たちばな」
...他のどんな特質よりも女のつつましさと高貴さとを求めた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そなたのつつましさまでが...
吉川英治 「新書太閤記」
...女のつつましさへ何か唆(そそ)るように...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...容子(ようす)のつつましさ」「ふーむ……」「世の中に...
吉川英治 「親鸞」
...母としてのつつましさと...
吉川英治 「親鸞」
...それにしてもお吟のつつましさや...
吉川英治 「宮本武蔵」
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