...刃物(はもの)のような風がぴゅうぴゅうと吹きつける...
海野十三 「恐竜島」
...ともかくその痛みをとめるために歯医者へかけつけたのだろうということでした...
江戸川乱歩 「妻に失恋した男」
...氏の述懐をきくにつけてまたさらに感慨を深うした次第である...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...私は屡々みよを部屋へ呼んで要らない用事を言ひつけた...
太宰治 「思ひ出」
...二人は、その夜のうちに七里歩み、左方に博多(はかた)の海が青く展開するのを夢のように眺(なが)めて、なおも飲まず食わず、背後に人の足音を聞くたびに追手かと胆(きも)をひやし、生きた心地(ここち)も無くただ歩きに歩いて蹌踉(そうろう)とたどりついたところは其(そ)の名も盛者必衰(じょうしゃひっすい)、是生滅法(ぜしょうめっぽう)の鐘が崎、この鐘が崎の山添の野をわけて次郎右衛門のほのかな知合いの家をたずね、案の如く薄情のあしらいを受けて、けれどもそれも無理のない事と我慢して、ぶしつけながら、とお金を紙に包んで差し出し、その日は、納屋(なや)に休ませてもらい、浅間しき身のなりゆきと今はじめて思い当って青く窶(やつ)れた顔を見合せて溜息(ためいき)をつき、お蘭は、手飼いの猿(さる)の吉兵衛の背を撫(な)でながら、やたらに鼻をすすり上げた...
太宰治 「新釈諸国噺」
...由平は椀を取って阿芳の顔へ投げつけた...
田中貢太郎 「阿芳の怨霊」
...ずいぶん苦心している」「なるほど」南条は面(かお)をつきつけるようにして...
中里介山 「大菩薩峠」
...これをつけて街上を走ることは自己の存在を示すことであって...
中里介山 「大菩薩峠」
...壁を圧(お)しつけるような勢(いきおい)で立っている梅の古木の根方(ねがた)が...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...最初に目星をつけた八五郎のものでございます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの色氣違ひがつけ廻したんですね」「若い娘の口からでは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...がマルテがいつのまにか見えなくなっちまったんでね」之をきいて母親はさっそくバタクランにかけつけて見ると...
浜尾四郎 「殺人狂の話」
...そうすれば二十万ルーブリという大金にありつけようってものだ! それに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そこで一番息がつけるといふものだ...
牧野信一 「雪景色」
...きまりをつけようというのです...
文部省 「あたらしい憲法のはなし」
...彼は全身の力でドラムを撲りつけた...
山川方夫 「その一年」
...手順をつけましてなるべく早く人をやると致しましょう」「それからもう一つ」宗兵衛が云いかけたとき...
山本周五郎 「新潮記」
...杯の端を唇(くち)へつけて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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